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    ロキ

    chinohen

    DOODLES2の5話でロキの本心をシルヴィが引き出した、あのシーンがもし続いていたらな捏造。ロキメビのつもりです。メビウスを愛おしいと思うロキと、話を聞くシルヴィ。短いのとちゃんと読み返してないのですみません。
    ロキ→メビウス流れてくる昔のロックミュージック、ビリヤードの球が弾ける音、昔のゲーム機から恐ろしそうな声が聞こえてくる。アンティークと呼ぶにはまだ若い、一昔前のものに囲まれているバーの中で、シルヴィはバーボンをワンショット一気に飲み干してからバーテンダーに「もう一杯もらえる?」と言った。
    「それで、詳しく聞かせてよ」
    隣のスツールに腰掛けて項垂れているロキに好奇心一杯に目を輝かせながらシルヴィは言った。TVAを救わねば、とシルヴィの前に現れたロキに何度もやり直しをさせて何度目かにようやく「友達を取り戻したい。独りは嫌だ」と本心を引き出したシルヴィは、さらに深い本心を聞き出したくてうずうずしていた。シルヴィにとってはロキの言う崩壊しかけているTVAの行く末などどうでも良く、ただ別な世界の自分がここまで言い切った相手について知りたくて仕方がなかった。チラリとロキはシルヴィへ視線を向けたが「今はそれどころじゃない」と言って突っぱね、立ちあがろうとした。だがシルヴィはそれを許さずにロキの腕を掴んで「今だから、だって」と、そのままスツールに引きとどめる。
    2023

    68_nemui

    DOODLEマネロキ(のつもり) 頭のおかしいファンがロキの前でアピールする話

    ・ファン(モブ)がだいぶ喋る そして死ぬ
    ・ちょっとだけ流血描写
    ・前半マネ視点で後半ファン視点
    実体化するアンビバレンス 柔らかい陽光が雲間から差し、街の広場に影を作っている。ロキは雨が降るのではないかと危ぶんでいたが、そうはならずにひとまず安心。西に黒い雲の塊が見えるが、あれがこちらに流れてくる頃には撤収しているだろう。

    「あ……あ、あの! お会いできて嬉しいですっ! 僕、ロキ様みたいに堂々と振る舞えるようになりたくて……! えっ、いや、もちろんお歌も大好きです! っ、すみません上手く話せなくて! 色々考えてきたんですけど、いざロキ様を目の前にすると、んん、くぅ……!」
    「フン……うっとおしい。どうにでもなっちまえよ」
    「ううぅ……っ! カッコイイ……!」

     今日、今まさに開かれているのはロキの握手会だ。街の広場の一角を借り、俺とロキ、今回のために雇った数人がそこに突っ立っている──なんて簡素なものだが。前々から「少しでもファンの喜ぶことをしたい、ファンの声を近くで聞きたい」と、本人がやりたがっていた。多少の不安はあったものの、俺はロキの、あの眼にどうにも弱い。不思議に移ろう瞳で見つめられると、何も言えなくなる。そんな目でねだられてしまえば、俺は頷く他の反応を手放してしまう。もちろん、駄目なことにはしっかり駄目と言わなければいけないとは思っている。だが、今回は否を突き付けるような事柄でもないだろう。
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