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    不器用

    Tofu_funya2

    DONE愛を伝える術は言葉だけに非ず。
    面倒なことから逃げることをやめた杉下が、桜に対してどのような考えを巡らせているのか。
    愛を言葉にしたいけれどできない、桜の方へ一歩踏み出したいのに尻込みしてしまう。そんな杉下の笑えてしまうほどに不器用な恋模様を見届けてやってください。
    言葉足らず、分かち愛 杉下京太郎は悩んでいた。
     梅宮さんの畑の苗が上手く育たないこと?違う。小テストの結果が見るも無残で、どう祖父母に言い訳をするかということ?違う。
     悩みというのはそう、桜遥との関係性に悩んでいた。
     桜とは少し前に想いを通じ合った仲……要はお付き合いをしている状態ではあるが、如何せん二人とも恋愛初心者なので何も発展がない。いつも通り言い合いをして、小突き合いなんかもして周りに宥められての繰り返し。何も変わらない、付き合う前と変わらぬ日常を過ごしている。これで良いのだろうか?と思うのだが、従来の口下手が邪魔をして何を伝えられる訳でもない。愛の言葉なんて以ての外だ。逆も然りで、桜から何か囁かれるわけでもない。もちろん、喧嘩以外で触れ合うこともない。そんな状態で時間だけが無情にも流れるのだ。そうして今日もただこうして、桜が周りの友人らと楽しげにしている様子を一人離れて眺めていることしかできない。
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    月刊歩行水銀

    PROGRESSこの話は子供との絡みが好きな作者が、おずおずと子供に向き合っているrnisがみたいと書いたもだもだ家族形成パロです。引退したisgが喪失感に襲われて子供を養子を取るところから不器用にも家族になろうと集まる話です。

    ちょうどいいところまで終わったので、誕生日もあるし試しに一話として挙げてみようと思います。全年齢です。
    推敲していません。深夜なので許してください。

    最初から暴力が出てきます。
    祝祭 ♯1その箱の中にいる男が、ひどく楽しそうで羨ましかった。

    「ミヒャエル・カイザー選手と糸師凛選手がボールを奪い合っていた裏を書いて、ゴールを決めたのは、バスタードミュンヘンの双剣の一人、11番の潔世一だ!」
    「そしてなんと、ここで試合終了のホイッスルが鳴り、3-4でバスタードミュンヘン、逆転勝利が確定しました!」

    無機物なテレビが不思議にも動を生み、割れんばかりの歓声で蠢く。暗がりの部屋の中、瞳の中で青が揺れると、自分で導いた勝利を噛み締めるように、箱の中の自分よりも遥かに年上の赤いユニフォームが流れ星のように流れた。その選手はまるで自分がゴール入れたのが当然なのだと、その傲慢さを隠そうともせずに汗を飛ばしながら芝生の真ん中で雄叫びを上げている。こちらが耳を塞いでしまいそうな痺れる声を合図に、彼と同じチームメイトらしい、同じユニフォームの選手が集まってあっという間にもみくちゃにされ、その様子を興奮して解説している実況席と、嬉々とした声援が囃し立てていた。周りの選手と喜びを分かち合っている熱を表す画面は、今少年がいる暗い現実世界とは対照的にその選手を祝福しているように煌めいている。
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