Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    不運

    ringofeb9

    DOODLE伊作が歌う包帯の歌、留三郎も歌えそうだなと思って書いた留伊です。2人で一緒に歌ってほしい。意識飛ばさないように留三郎は歌ったものだと思われ。ちょっとだけ仙蔵。
    雰囲気でどうぞ。
    苦無で制服切って傷の手当する伊作が書きたかっただけかもしれない。
    留三郎、同室だからってどんな巻き込まれ不運もなんやかんや許してくれる心の広い男でいいですね…☺️
    包帯の歌「……伊作」
    「何だい? 留三郎」
     留三郎の腕に包帯を巻きながら伊作は訊ねる。実習で負傷して帰ってきたようだ。
    「その歌、何とかならないか?」
    「歌?」
    「あれだ。包帯を巻く時に歌っている」
    「ああ。これを歌った方が巻きやすくて。……ほーたいは~、しっかーり巻ーいてもきーつすぎず~、すーばやくきーれいに、ゆるまぬよーうにー……はい。できたよ」
     留三郎の腕には綺麗に包帯が巻かれていた。
    「これはね、僕なりのまじないなんだ。不運に見舞われることなく綺麗に包帯を巻けるように。自己暗示のようなものかな。……でも、それだけじゃない。怪我が早く治るようにという願いも込めている。だから歌っているんだ」
    「……そうか」
     傷に響くから歌うのを辞めろ、と留三郎は言えなかった。
    1210

    yooko0022

    PROGRESS最悪治安環境で育ったシン♀と被害者のマルセルによる特士校基礎課程三ヶ月間の青春の成り損ない/特士校で悪目立ちしているシン♀が読みたかった/捏造と妄想と幻覚/モブ台詞あり/続く予定

    書きたかったもの:連邦の学生基準だと大概な状況だけど最悪治安育ちのせいでマイペースによく食べよく動きそれなりに眠ってむしろ健康体になっている死神♀+生産者マークな人狼+不運な同期たち
    化物① 化物みたいに綺麗な女だった。


    【青き春にはまだまだ遠く】


     特別士官学校の入隊式。
     講堂に充満するのは真新しい軍服と、真新しい建物の匂い。――特例制度のために新造されて間もない特士校の設備は、軍隊特有の質実剛健さと称すにしても些か以上に素っ気ない。
     同様の施設は各地に点在していて、中等教育を終えたばかりの十代後半の少年少女たちを受け入れ、三ヶ月の基礎課程の後に前線へと送り込む。

     所詮、お前たちは『平民』上がりの間に合わせで埋め合わせだ、と。
     言外に突きつけられているように感じたのは、斜に構えすぎた物の捉え方であっただろうか。

     壇上では複数の勲章を付けた夜黒種オニクスの軍人が演説をしている。妙に白々しく響くそれにエルウィン・マルセルは僅かに瞳を伏せて、ふと、周囲が妙にざわめいていることに気がついた。
    13946