曦之离歌　　“从前有一位冷漠的国王，他掌管着一座昼短夜长的城邦。他的城里有一片和月亮一样美丽的湖，传闻湖底藏着国王此生最珍爱的宝物，但无人知晓那件宝物究竟是什么。”

　　“白日只能占据这座城一天中的三分之一个时辰，国王在白日会陷入沉睡，直到守护他的月亮升上天空，他才会醒来。”

　　“他醒来后，便会开始在空旷的宫殿之中徘徊，赤足散发，步伐焦躁，在宫殿与花园之中呼唤着他亡妻的名字，宛若宫殿之中的游魂，直到来到那湖边，他才会停下脚步，静静地站立，直到又三分之一个时辰过去。”

　　“剩下三分之一个时辰，他会在湖边来回踱步，讲述他与妻子的故事，讲给清透的湖水，讲给摇曳的灯芯草与雏菊花，讲给闻讯而来的夜风，讲给谦逊垂头的杨柳，亦或是总与夜风窃窃私语的青竹。”

爺と現しの神隠し　始まりは廻船問屋の翁だった。若い頃は運河での公益で一旗揚げたやり手の商人であったが、百竜夜行以降はモンスターの往来も激しく船の数は減り、それでもかつての儲けで賄えてはいたが、近頃では積み荷の単価を上げなんとか凌いでいた。
　かつての栄華を懐かしんで、しかも相手が災害級のモンスター襲撃とくれば苛立ちをぶつける先もなく、その鬱憤は次第に己に逆らわない、弱いものへと向かう。実際その頃の翁の妻女には生傷が耐えなかったと聞く。

　ある日翁はふと思いつき、つい先日ハンター見習いになったばかりの余所者の拾い子を呼び付けた。ちょうど師である男が別件で離れ、子供に自主訓練を申し付けたのを見計らって。

　翡葉の砦の外周に生える薬草を集めて来るように。

カムラふるさと老人会活動記録より「この子は私の子だ。相手なんか関係ない。私が産んで、私が育てる」



　…書に曰く、娘の相手など想像に難くないが、がんとして口を割らないその頑なな態度こそが古老たちを怒らせたのだという。
　行き遅れの小娘の分際で、若い衆に祭り上げられたあの男と同様に、何か勘違いしてはいないかと。

　例えばハンターの世界、野生の世界であれば実力主義、そこに男も女もないのかもしれない。だがここはカムラ、禍群れる隠れ里。狩り場の荒野ならば風に煽られ流れ行く淀みも、里に吹き込んだが最後行き場を失くしてただ澱むばかり。
　彼女のそれが許される歴史も風土も、ここには何も育っていなかったのだ。


　結果、頼れるものも居らず行き場を無くした娘は、暗くじめじめとした座敷牢で子を産み落とした。