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    再走(サイソウ)

    DONE2025/3/16に開催されたHARU COMIC CITY 34の無配…予定だった散文。体調不良で欠席し配布できなかったため、こちらで供養します。
    同日がトーハクのdkj展の最終日だったので、それに合わせたネタです。2月のVRFで配布したこちら↓とうっすら繋がってますが、単品でも読めると思います。
    https://poipiku.com/4918557/11382208.html
    同一ケース展示の話 ―最終日― 展示物を眺める人々のささやくような声が、薄暗い室内の空気を密やかに震わせる。展示室の中央、ことさら目立つ位置に並んで展示されている膝丸と髭切は、空気を隔てる硝子越しに今日も流れゆく人々を見つめていた。
     注がれるいくつもの熱心な視線、佩裏まで見られるのは面映ゆい心地でもあったが、そんな眼差しを受けとめるのが今代の彼らの役目のひとつだ。
     ――でも、今日の弟はそれどころじゃないみたい。
     髭切が視線を走らせた先にいるのは、今回の展示の目玉のひとつであり、髭切がここに呼ばれる所以ともなった弟刀・膝丸である。刀身へ注がれる視線を前にして、今朝から何度も周囲を気にしては居住まいを正し、を繰りかえしている。人出が少なくなってきてからは、もはや動くまいと決した心を物語るように、両手を膝の上で固く握りしめていた。
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    hanaya_koso

    DONE3月16日春コミ⏮️プチオンリーにて配布したペーパー用の小説です。
    🤕→🐳←🔨のわちゃわちゃギャグ。
    肉まんよりも大好きな人の写真が欲しかった後輩ズと、何も知らない🐳さんの話。
    食い気より色気カメラを向けられていることに気付いた時には大きく口を開けてしまっていて、まあいいかとクロノはそのまま熱々の肉まんにかぶりついた。元々細かいことは気にしないタイプだし、何より今は冷めないうちに肉まんを食べたい食欲が勝っていたのである。寒い冬と言えばやっぱり買い食いの肉まんじゃと最初に教えてくれたのはアカバである。疲労と空腹でくたくたになっている中食べる肉まんとはこうも美味いものかと感動して以来、任務の帰りに本部近くのコンビニに寄り道をして肉まんを買うのがちょっとしたマイブームになっている。ふわふわもちもちでほんのり甘い皮、そして中から現れる、ジューシーで食べ応えのある餡。筍と玉ねぎが混ぜ込まれているのか、シャキシャキした食感が楽しい。そして何より、手が悴みそうなほど寒い日に食べる肉まんのなんと美味しいことか。まるでホッカイロのように、掌を温めてくれる。その上腹と心まで満たされるのだからすごい食べ物だ。
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