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    幽霊

    多嘉(わび)

    MAIKING子タろが夜の寮で幽霊大野に会う話。

    こちらは18TRIPオールジャンルWebオンリー『旅の始まりは港町から』にて展示しております。計画性のなさのあまり期間中にしあがる感じがしないので、前半というかたちで載せておきます。後半を書いたらpixivのほうに掲載する予定なので、そちらもぜひ見てください。
    前も似たようなの書いたけど、推しカプの幻覚なんてなんぼあってもいいですからね…
    見たようなかお「だからァ、マージで見たんだって!」

     浜咲椛は通りがかったリビングの喧噪におやっと足をとめた。この底抜けに明るい声の持ち主は、あく太だ。

    「今週でもう何回目? そんなにほいほい心霊現象が起きるわけないでしょ。てか、アホ竹に霊感なんてものあるの?」
    「なんて言う潮は、実は幽霊が怖かったりして」
    「は!? そんな訳にゃい、ない! 言いがかりやめてくれる?」
    「言ってやるな、七基。たしかにうーちゃんは幽霊が嫌いだが、今回ばかりは寮に不審者が出ていることを心配しているんだ」
    「ちょっと、むーちゃん!」
    「不審、者……そっちの、方が、……怖、い」

     リビングの中央、テーブルの周りを囲むように、昼班の面々が勢ぞろいしてやいのやいの騒いでいた。青春の一幕を邪魔しまいと椛はいそいそと通り過ぎ、冷凍庫の中身を漁りはじめる。お風呂上りのアイスを求めて。その最中も、あく太のよく通る声はキッチンにまで聞こえてきた。
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