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    ce_ss111

    DONE『氷華、祈りて捧ぐ』
    世界征服時代オズフィガ
    *2021.9.21発行『泡沫、徒花、みちとせ』、2022.7.24発行『散花の調べ』と同じ時間軸、一部再録あり
    *フィガロの口調が公式情報(spoon.2Di vol.80)と異なります。前述の作品内容との整合性から修正をしていません、ご容赦下さい
    *メインスト2部・4周年ストの内容を一部含みます
    *メリクリじゃないいつものでごめんなさい…
    氷華、祈りて捧ぐ 白の空気は寥々として澄み渡り、ちぎれた雲からはらはらと落ちるように雪花が舞う。風に煽られた羽織りがひらりと翻った拍子に、ひとつにまとめられた冬の海の色を映した癖毛がふわりと揺れる。紗をかけたように白く塞がれた空に映えるその色は、毛先が淡く透けて空の色を映している。
     空は雪音を吸い込むような白に染まり、薄っすらとその白に淡紫色の朝の光を滲ませて、吐息を集めるように風が雪を踊らせていた。微睡を残したままの空の端には、きらり、夜の名残の煌めきがその光を湛えていた。
    「……意味なんてなくても、いつか終わるその日まで、」
     バルコニーの手摺りに凭れ掛かり空を見上げていたフィガロは、そっと手を伸ばし、広げた手のひらに落ちる星屑のような雪の欠片を見つめていた。防寒魔法の掛けられた白くあたたかい手のひらの上で、雪の結晶がはらりと咲いて、咲いて、じわり、溶けていく。
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    うめはら

    DONEワッフルコーンさんの素敵な絵と呟きをもとに好き勝手書かせていただきましたマリルイです!ワッフルコーンさんにお捧げいたします。素敵なイラストと、書くご許可を頂きましてありがとうございました!

    ・元の素敵ツイートとは一部異なった内容になってしまっております。
    ・途中までなのでまた追加、修正等するかもしれません。
    ・ぜひ皆様、ワッフルコーンさんの素敵なイラストと呟きをご覧になってくださいませ!
    護衛と一般市民いつだって僕は、どうにも順調って言葉には程遠い。
    走れば転び、運べば落とし、挙句の果てには大失敗。
    「ぎゃー!」
    「うわ、すみません!」
    「どわぁ!?」
    「ひゃあ! ごめんね!」
    叫び声と僕の謝罪がセットのようにこだまする、そんなの日常茶飯事。
    ここぞというときに限って益々威力を発揮するソレは、僕の意志に関わらず年中無休でやってくる。
    出世とか脚光を浴びるとか、全て遠い世界の出来事。配管工として何とか働けてはいるものの、精々が町の片隅でひっそりと暮らすくらいの塩梅だ。
    僕ってやつはそういうのが当たり前で、人の倍頑張ってようやくやっと一人前。
    ──だからそう、こんなのは慣れっこなんだ。

    「ぎゃあ!」
    叫び声と共に、白と黄色のキノコ頭が宙に舞う。一緒に飛ぶ、ひっくり返った果物籠。
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