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    1YU77

    DONE〜Happy birthday ニャボラさん〜

    ニャボラさんのお誕生日にできることは(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)!!

    と悩み拙いですがSS捧げさせて頂こう!!!
    と初挑戦で書きあげたまさよどまさSSです

    仲良しでできあがってる2人
    ※ヤギシズの影もへばりついています💦
    ものくろせぴあにじのいろ






    「淀野さん、淀野さんかぁ」
     父にもらった名刺を眺め正雄は布団に寝転がっていた。
     淀野さん。父とは違う雰囲気のある大人だった。正直にいうと父より強そうでお洒落だった。都会の人は違うなぁなんて一目に感じた。なんだかすごそうな「おーら」を感じる人でじろじろ見ることは出来なかったけれど視線を引かれてしまった。それよりもテーブルにまさかのライカがあってそっちに釘付けになったんだけど。もう少し話してみたかった気がする。もちろん、父が許さないだろう。どうして父はあんなに焦っていたのかいまだに不可思議だ。淀野さんもなんだかじっとこっちを見ていた気がするけれど気のせいか。
     あの日はとにかく妙だった。
     来るなというのも変じゃないか。知り合いなら息子の自分に自己紹介くらいさせてくれてもいいのに。普段の父なら息子です、と話してくれるはずなのに。
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    ce_ss111

    DONE『氷華、祈りて捧ぐ』
    世界征服時代オズフィガ
    *2021.9.21発行『泡沫、徒花、みちとせ』、2022.7.24発行『散花の調べ』と同じ時間軸、一部再録あり
    *フィガロの口調が公式情報(spoon.2Di vol.80)と異なります。前述の作品内容との整合性から修正をしていません、ご容赦下さい
    *メインスト2部・4周年ストの内容を一部含みます
    *メリクリじゃないいつものでごめんなさい…
    氷華、祈りて捧ぐ 白の空気は寥々として澄み渡り、ちぎれた雲からはらはらと落ちるように雪花が舞う。風に煽られた羽織りがひらりと翻った拍子に、ひとつにまとめられた冬の海の色を映した癖毛がふわりと揺れる。紗をかけたように白く塞がれた空に映えるその色は、毛先が淡く透けて空の色を映している。
     空は雪音を吸い込むような白に染まり、薄っすらとその白に淡紫色の朝の光を滲ませて、吐息を集めるように風が雪を踊らせていた。微睡を残したままの空の端には、きらり、夜の名残の煌めきがその光を湛えていた。
    「……意味なんてなくても、いつか終わるその日まで、」
     バルコニーの手摺りに凭れ掛かり空を見上げていたフィガロは、そっと手を伸ばし、広げた手のひらに落ちる星屑のような雪の欠片を見つめていた。防寒魔法の掛けられた白くあたたかい手のひらの上で、雪の結晶がはらりと咲いて、咲いて、じわり、溶けていく。
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