たとえばこんな秋の夜楽しかったね。傍らの教授はいつにも増して上機嫌だった。
「まあ、なかなか良いものになったのでは？」
「……レオス君、そういう言い方しないの」
「一応心配していたんですよ、いつもと違って案件でしたし」
何事も全力――なのは大変に良いのだが、やや暴走気味になっていないかと言われたら否定できない。
自分たちだけが楽しんだら意味がないのでは、と考えては、いた。いちおう。
「始まるまででしょ、それ」
「予行練習とはいえオリバー君に負けるとは思いませんでねえ」
そりゃあ、僕だって負けたくなかったもの。ちゃんと予習もしたし。
「そのおかげでまあ、見てて楽しいものになったんじゃないかな」
「頂けるのなら土地も欲しいですけど」
「ワガママ言わないの。僕だっていただけるなら欲しいけど」

【看起來陽光的德蓮其實綁架教授&旁邊餅乾都不知道還一直幫忙】————————————————————


濃縮咖啡靜靜地待在露天座位上，看起來似乎與平常沒什麼兩樣，但此時的他雙眼沒有焦距，偶爾才機械式地啜飲一口咖啡。

雖然對咖啡族來說睡眠不是必要的，不過仍然需要休息──他已經記不清自己有多久沒闔眼了，自從被關進了那間充滿甜香的房間後，無論怎麼抵抗都無濟於事，最後絕食直到忍受不了、不再爭執、只想閉上眼睛睡一覺的時候，濃郁深沉的橙花香便會覆上自己的肌膚，隨著繾綣的撩撥動作、一點一點地滲入體內，將身體從裡到外都浸潤了同樣的氣味。

於是他不斷地被驚醒，恍惚之間的親吻，愛撫與呢喃，濃縮咖啡不太確定、也不願意承認，感到自己的意識彷彿在浪淘上載沉載浮，陷入了缺乏咖啡因的成癮狀態，當他意志瀕臨極限、頭也開始劇烈疼痛的同時，只能緊抓住身邊的浮木、下意識地索取甘甜徐緩的放鬆氣味，任其淹沒自己所有的感官。

sealing wax(Q53)初めて「彼」についての話を聞いたのは、大学二年生の春だった。
辺鄙すぎないとはいえそこまで煌びやかでもない自分の故郷を離れ、都会にある大学へと進学した僕もようやく二年生となり、大学生活にもそこそこに慣れてきた頃。──夕飯は何にしようか、近所のスーパーは火曜が卵の特売日だから、今日はカニ玉でも作ろうかな──なんて考えながら都心特有の小さく雑多なアパートへの帰路をシュミレーションしつつファイルをカバンへ仕舞っていると、いつも世話になっている教授から直々に「碇くん」と声をかけられた。
「はい、なんでしょうか」
一体何の用だろう。まさか今日提出のレポートに不備でもあったかな...と少し心配にはなったが、老教授の温和な雰囲気がそのままなのを確認すると、僕は安堵して再び柔らかく笑う。