権利者
risa50882145651
PASTkksgのwebオンリーで期日終了後に更に謎に遅刻アップした(今は一応非公開)、8p折本の中身の再掲です。
番外編後復学直後のs君とパイセンです。
縦書き印刷用に書いたので、文字が詰まっていてすみません。
※言わずもがなですが、公式や各権利者等とは一切関係ない妄想です。
頑張った 元チャンピオンとなって学園に戻ってきて、皆に謝って回るのは吐きそうなくらいに緊張した。そのうち噂でも流れたのか、声を掛けようとした相手が、自分を待っていてくれるようなこともあって、自分が人を見ているのと同じように、人も自分を見ているのだと、当たり前のことを今更感じたりもした。
手持ちとも向き合うと決めて、ウォッシュしたり、ただじゃれあったりするような時間を多く設けた。手持ちたちは概ね皆喜んでいるように感じた。しばらく戦闘からは外していた茶色の縞模様の手持ちはウォッシュされている最中でも嬉しそうにその長い体で巻きつくように纏わりついてきて、自分までずぶ濡れになってしまったりした。彼らは賢いので、わからずにやったわけではなく、喜びながらも自分を泡だらけにすること自体が意趣返しのようなものだったのだと思うし、誰かさんのように「やり返して」くれるというのも、ある意味彼らがこちらに対して心を開き、信頼してくれている一つの証であると理解していた。
2104手持ちとも向き合うと決めて、ウォッシュしたり、ただじゃれあったりするような時間を多く設けた。手持ちたちは概ね皆喜んでいるように感じた。しばらく戦闘からは外していた茶色の縞模様の手持ちはウォッシュされている最中でも嬉しそうにその長い体で巻きつくように纏わりついてきて、自分までずぶ濡れになってしまったりした。彼らは賢いので、わからずにやったわけではなく、喜びながらも自分を泡だらけにすること自体が意趣返しのようなものだったのだと思うし、誰かさんのように「やり返して」くれるというのも、ある意味彼らがこちらに対して心を開き、信頼してくれている一つの証であると理解していた。
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PASTkksgのwebオンリーで期日終了後に謎に遅刻アップした(今は一応非公開)、8p折本の中身の再掲です。
※付き合っている番外編後カキスグです
(考えてみると付き合ってる設定のカキスグ書いたの初めてかも)
縦書き印刷用に書いたので、文字が詰まっていてすみません。
※言わずもがなですが、他のも含め全て公式や各権利者等とは一切関係ない妄想です。
仲間の証「……えっ⁈ カキツバタ、なに俺のヘアバンドさ勝手にしてんだべ‼︎」
入浴を終えたパジャマ姿のスグリが自室に戻って見たものは、先に風呂から上がった、同じくパジャマ姿のカキツバタが、黄色いヘアバンドで髪を上げている姿だった。
「いやぁ、元チャンピオン様のトレードマーク、一回オイラも使ってみたかったんだよねぃ」
「だからって、無断で……」
「だってぃ、元チャンピオン様に貸してっつったって、どうせ嫌がるだろい⁈」
「まあ……そうだけど、そもそも人の嫌がること、……今更か、何度言っても嫌な呼び方してくるし……」
はぁ〜、と溜息を吐くスグリの横で、カキツバタが嬉しそうに手を叩いて笑う。
「……で、満足したなら返してくれる?」
1679入浴を終えたパジャマ姿のスグリが自室に戻って見たものは、先に風呂から上がった、同じくパジャマ姿のカキツバタが、黄色いヘアバンドで髪を上げている姿だった。
「いやぁ、元チャンピオン様のトレードマーク、一回オイラも使ってみたかったんだよねぃ」
「だからって、無断で……」
「だってぃ、元チャンピオン様に貸してっつったって、どうせ嫌がるだろい⁈」
「まあ……そうだけど、そもそも人の嫌がること、……今更か、何度言っても嫌な呼び方してくるし……」
はぁ〜、と溜息を吐くスグリの横で、カキツバタが嬉しそうに手を叩いて笑う。
「……で、満足したなら返してくれる?」
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PAST支部で2月~3月くらいに書いていて今は消したs君とパイセンの話「卑しい猫と鼠の王」の再掲です。
当時書いていた一連のものの最終話です。
※当然ですが、当アカウントで公開しているものは全て妄想であり、公式や各権利者等とは一切関係ありません
9話(最終話)「学校」「……休学するって?」
床に座った体勢から視線だけやって見上げると、いつの間に入ってきたのか、カキツバタの腰巻があった。わざわざ夜中にここに来て、彼がいつものテーブルに居ないことを確認して、ようやく安心してロッカーや棚などに置きっぱなしの荷物の整理を始めたというのに。
「……今まで、ごめんな」
目を逸らして荷物の整理を続ける。どうしても視線を感じてしまい、自分が今手に持つ物を、果たして自分は捨てるべきなのか鞄に入れるべきなのか、頭が回らない。
「……」
じっとりと汗をかいてきた自覚があるが、とりあえず作業だけは進んでいるかのように、全て鞄に詰めていく。しかし、大量の書類やら嵩張る着替えなどは入り切らないことは明確だった。
2377床に座った体勢から視線だけやって見上げると、いつの間に入ってきたのか、カキツバタの腰巻があった。わざわざ夜中にここに来て、彼がいつものテーブルに居ないことを確認して、ようやく安心してロッカーや棚などに置きっぱなしの荷物の整理を始めたというのに。
「……今まで、ごめんな」
目を逸らして荷物の整理を続ける。どうしても視線を感じてしまい、自分が今手に持つ物を、果たして自分は捨てるべきなのか鞄に入れるべきなのか、頭が回らない。
「……」
じっとりと汗をかいてきた自覚があるが、とりあえず作業だけは進んでいるかのように、全て鞄に詰めていく。しかし、大量の書類やら嵩張る着替えなどは入り切らないことは明確だった。
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PAST支部で2月~3月くらいに書いていて今は消したs君とパイセンの話「卑しい猫と鼠の王」の再掲です。
※当然ですが、当アカウントで公開しているものは全て妄想であり、公式や各権利者等とは一切関係ありません
8話「覆書類」「あっ」
紙袋が破れ、書類と本があたりに散乱した。確かに書類を山ほど詰めた上に図書館から借りた本まで押し込んでしまったし、その上に大した高級品でもないその紙袋は何回も使った後だったから、本来予想できたことだった。
なぜ布製の袋を持ってこなかったのか、自分は何をやっているんだ、そう悔みながら廊下に広がった書類をかき集める。
せっかく整理したのに、クリップも外れて順番がめちゃくちゃだ。廊下は、テラリウム帰りの学生の靴の汚れで水や泥が付いている。少し離れたところで書類にじんわり水が浸み込んでいくのも見える。
ひとまず端の方まで飛んで行った書類を手元に寄せていくと、端の方をそろそろと他の学生が通り始める。
通行の邪魔になっていることは知っているし、資料を踏まれても困る。だから早く集めないといけないのだが、紙袋は破れてしまったから、なんとか手元で持ち運びが可能なくらいにひとまとめにしきらないといけない。しかし、焦って山積みにすれば、山が崩れてしまう。
3081紙袋が破れ、書類と本があたりに散乱した。確かに書類を山ほど詰めた上に図書館から借りた本まで押し込んでしまったし、その上に大した高級品でもないその紙袋は何回も使った後だったから、本来予想できたことだった。
なぜ布製の袋を持ってこなかったのか、自分は何をやっているんだ、そう悔みながら廊下に広がった書類をかき集める。
せっかく整理したのに、クリップも外れて順番がめちゃくちゃだ。廊下は、テラリウム帰りの学生の靴の汚れで水や泥が付いている。少し離れたところで書類にじんわり水が浸み込んでいくのも見える。
ひとまず端の方まで飛んで行った書類を手元に寄せていくと、端の方をそろそろと他の学生が通り始める。
通行の邪魔になっていることは知っているし、資料を踏まれても困る。だから早く集めないといけないのだが、紙袋は破れてしまったから、なんとか手元で持ち運びが可能なくらいにひとまとめにしきらないといけない。しかし、焦って山積みにすれば、山が崩れてしまう。
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PAST支部で2月~3月くらいに書いていて今は消したs君とパイセンの話「卑しい猫と鼠の王」の再掲です。
※当然ですが、当アカウントで公開しているものは全て妄想であり、公式や各権利者等とは一切関係ありません
7話「相手」スグリは激しい憤りに体を震わせてカキツバタを睨んだ。
確かに今日は練習試合だ。あくまで練習試合であって、リーグのランクは変動しないことにしている。新しい戦略を試したり、新しいチームを試したり、「より強くなるための」練習ができるようにだ。
あまりに弛んでいる部員が多いから、規則を変えて、この練習試合を最低週1回はすることを義務付けた。自分自身は積極的に他の部員の相手をしているから当然もっとやっている。レベル差がありすぎると大した練習にもならないので、ランクを持っている部員は公式試合で使った手持ちは使わないというルールも決めた。相手を見て手持ちのレベルや構成を変えて、相手にとっても学びのあるバトルにしようと心掛けている。
3679確かに今日は練習試合だ。あくまで練習試合であって、リーグのランクは変動しないことにしている。新しい戦略を試したり、新しいチームを試したり、「より強くなるための」練習ができるようにだ。
あまりに弛んでいる部員が多いから、規則を変えて、この練習試合を最低週1回はすることを義務付けた。自分自身は積極的に他の部員の相手をしているから当然もっとやっている。レベル差がありすぎると大した練習にもならないので、ランクを持っている部員は公式試合で使った手持ちは使わないというルールも決めた。相手を見て手持ちのレベルや構成を変えて、相手にとっても学びのあるバトルにしようと心掛けている。
risa50882145651
PAST支部で2月~3月くらいに書いていて今は消したs君とパイセンの話「卑しい猫と鼠の王」の再掲です。
※当然ですが、当アカウントで公開しているものは全て妄想であり、公式や各権利者等とは一切関係ありません
6話「客観」スグリが数日間姿を見せない。
鬼の部長様が居ないものだから、どうぞ今こそ心の洗濯と言わんばかりに部員は和気あいあいと無駄話をしているし、もちろん自分もかつてのように、いや、今でも概ねそうではあるが、部室でだらだらとお菓子を摘まんで楽しんでいる。
「ゼイユ、あいつ、生きてんの?」
「カキツバタ、あんたホント相変わらず失礼ね。……でも、毎日、昼は部屋にいないし、夜は鍵が掛けられてるみたいだから、無事だとは思うけど、わざわざ鍵を掛けるのもおかしいし……。あたしも、ずっと見てなくて」
ゼイユは不安なときいつもそうするように、自分の両サイドの髪を掴んだ。
「……その前に昼は鍵掛けてねーの? あいつ」
「は? そうじゃなくて、夜に鍵掛けてるって言ってるでしょ?」
4085鬼の部長様が居ないものだから、どうぞ今こそ心の洗濯と言わんばかりに部員は和気あいあいと無駄話をしているし、もちろん自分もかつてのように、いや、今でも概ねそうではあるが、部室でだらだらとお菓子を摘まんで楽しんでいる。
「ゼイユ、あいつ、生きてんの?」
「カキツバタ、あんたホント相変わらず失礼ね。……でも、毎日、昼は部屋にいないし、夜は鍵が掛けられてるみたいだから、無事だとは思うけど、わざわざ鍵を掛けるのもおかしいし……。あたしも、ずっと見てなくて」
ゼイユは不安なときいつもそうするように、自分の両サイドの髪を掴んだ。
「……その前に昼は鍵掛けてねーの? あいつ」
「は? そうじゃなくて、夜に鍵掛けてるって言ってるでしょ?」
risa50882145651
PAST支部で2月~3月くらいに書いていて今は消したs君とパイセンの話「卑しい猫と鼠の王」の再掲です。
※当然ですが、当アカウントで公開しているものは全て妄想であり、公式や各権利者等とは一切関係ありません
5話「修繕」「おおん? 随分きったない字ぃ書いてるねぃ」
部での練習試合を終え、そのまま部室で気が付いた点や思いついた戦略をまとめていたスグリはテーブルを蹴りたくなる気持ちを堪えた。
うるさい、と一言返しておくが、その言葉は特に効果を上げなかった。カキツバタの陰が落ち、手元が暗くなった。書きにくい。おそらくカキツバタはニヤニヤ笑いながら覗き込んできているのだろう。顔を上げるつもりもないが、その顔は容易に想像がつく。
「ん~~? 我らが最強チャンピオン様は、左利きでしたかねぃ?」
よっぽど席を立とうかと思ったが、こういうまとめはすぐ書くからこそ意義があるものだ。こんなことで気を逸らして、今思いついた技の構成を忘れてしまう方が余程問題だ。
2258部での練習試合を終え、そのまま部室で気が付いた点や思いついた戦略をまとめていたスグリはテーブルを蹴りたくなる気持ちを堪えた。
うるさい、と一言返しておくが、その言葉は特に効果を上げなかった。カキツバタの陰が落ち、手元が暗くなった。書きにくい。おそらくカキツバタはニヤニヤ笑いながら覗き込んできているのだろう。顔を上げるつもりもないが、その顔は容易に想像がつく。
「ん~~? 我らが最強チャンピオン様は、左利きでしたかねぃ?」
よっぽど席を立とうかと思ったが、こういうまとめはすぐ書くからこそ意義があるものだ。こんなことで気を逸らして、今思いついた技の構成を忘れてしまう方が余程問題だ。