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    bintatyan

    DOODLE恋人になる滝安
    据え膳「薄々ね、そうかな、と思っていたんですけど」
    ぽつりと、小さな声で安原がこぼすのを、滝川はある種の感動を持って聞いていた。
    普段は堂々と、明瞭とした話し方をする彼が、視線を逸らして暗がりでもわかるくらいに首まで真っ赤にしている。そうさせたのが己の言動によるものであること思うと、自分の顔にまで血が上ってくる。出会った頃はあれほど可愛げのないこまっしゃくれた少年だったというのに。
    「やっぱり、僕が二十歳になるの、待ってたんですよね?あなたって結構律儀というか真面目というか……うん、まあ、知ってましたけど」
    ずいぶんと寒さも和らぎ、桜の蕾も膨らんできた3月の半ばの夜。2人きりの帰り道である。


    来月には二十歳ですよ僕、と2月の初めにいつもの事務所で笑っていた安原に時間が経つのは早いもんだねえとぼやいた滝川に、彼は「いいえ全然。すごーく遅い」と笑っていた。その日、麻衣とナルとリンは調査に出かけていて、他のいつものメンバーは不在だった。事務のバイトとして安原だけが留守番をしていたので、心霊について勉強中の彼からの質問に答えたり、たわいのない無駄話をしていた。その流れでの、もうすぐ二十歳、という発言だった。
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