烏天狗
Asahikawa_kamo
PAST烏天狗mcとショタkgmのkgmmc。とある田舎の禁足地に足を踏み入れてしまったショタkgmと、その土地を守っていた烏天狗mcの邂逅諸々の話です。ふんわりtgの香りもします。
#序
雄大な山々に囲まれた景色の中に、ぽつぽつと散らばるように点在する家たち。田畑はどこまでも伸び広がり、細いあぜ道は森の麓まで首を伸ばしている。人の薄い自然は、間違いなく田舎と呼ばれるべき風景だった。
その田畑の合間で、一人の少年は高い太陽をひとつ見上げてから小さな手を掲げる。眩しさに眩んだ双眸は淡いブラウンを強く際立たせていて、そこにかかる前髪は柔らかなカフェオレカラーだ。品の良さそうなシャツとサスペンダーを纏わせながらぱちりとその大きな瞳を瞬かせると、少年は一度やってきた道を振り返る。遠くに見える田舎の家々に、聞いたこともないような虫が足元で歌う。少年が住んでいる都会の高層ビルでは一度も見たことのなかった光景だ。それだけで、胸の奥底がわっと沸き立つように熱くなる心地に見舞われる。今にも走り出したいという衝動と、きっとはしたないとお母様に言われてしまうだろうという理性が少年の心の中で火花を散らしていた。
13140雄大な山々に囲まれた景色の中に、ぽつぽつと散らばるように点在する家たち。田畑はどこまでも伸び広がり、細いあぜ道は森の麓まで首を伸ばしている。人の薄い自然は、間違いなく田舎と呼ばれるべき風景だった。
その田畑の合間で、一人の少年は高い太陽をひとつ見上げてから小さな手を掲げる。眩しさに眩んだ双眸は淡いブラウンを強く際立たせていて、そこにかかる前髪は柔らかなカフェオレカラーだ。品の良さそうなシャツとサスペンダーを纏わせながらぱちりとその大きな瞳を瞬かせると、少年は一度やってきた道を振り返る。遠くに見える田舎の家々に、聞いたこともないような虫が足元で歌う。少年が住んでいる都会の高層ビルでは一度も見たことのなかった光景だ。それだけで、胸の奥底がわっと沸き立つように熱くなる心地に見舞われる。今にも走り出したいという衝動と、きっとはしたないとお母様に言われてしまうだろうという理性が少年の心の中で火花を散らしていた。
belle_isaki
DONE交流会用/烏詠2024.10.25ykmm交流会
交換相手のとるこさん(@toruko_kikyooo)にお渡しした作品です。
とるこさんの作品はこちら→(https://poipiku.com/8435899/10914469.html)
人間の寿命の短さを実感する烏天狗と、いつまでも尊大な烏天狗でいてほしい詠の話。
※付き合っていないです。
※全年齢ですが、やることやっています。 3711
和花🌼
DOODLEワードパレットを使ったリクエストSSワードパレット3
以下の言葉を使用しています。
・出店
・あれもこれも
・楽しくて
・おいしく感じる
・ついつい
九尾狐(銀時)に拾われた烏天狗(土方)が大きくなった設定の『ふぉっくろ』で書いています。
背後にふわっと、この設定もあります。
蛟(水神):高杉
化け猫:神楽
化け狸:新八
夏祭り(ふぉっくろ) 道の両側に並ぶ出店の眩い光が闇を照らす。近くの山車からは威勢の良いお囃子が聞こえ、声を張らなくては隣にいる相手の話し声すら聞こえない。
出店が並ぶ参道のあちこちは、ただでさえ人でごった返しているというのに、山車で道の中央が塞がれているため、それを避けようとする人々で路上はさらに混雑する。
カランと下駄を鳴らしながら土方が隣を見ると、人混みに疲れてきた自分とは対照的に、楽しそうに目を輝かせている銀色の狐がいた。狐と言っても、今は人型をとっているのだから、白い毛並みを彷彿とさせるのは自由に跳ねまわる髪くらいで、常であれば九本もある尻尾も今はなく、頭の上にちょこんと出ている狐耳もない。その代わりに、形の良い人の耳が左右にある。土方はその耳に唇を寄せて狐の名を呼んだ。すると、すぐに狐の腕が土方の腰に回される。
3843出店が並ぶ参道のあちこちは、ただでさえ人でごった返しているというのに、山車で道の中央が塞がれているため、それを避けようとする人々で路上はさらに混雑する。
カランと下駄を鳴らしながら土方が隣を見ると、人混みに疲れてきた自分とは対照的に、楽しそうに目を輝かせている銀色の狐がいた。狐と言っても、今は人型をとっているのだから、白い毛並みを彷彿とさせるのは自由に跳ねまわる髪くらいで、常であれば九本もある尻尾も今はなく、頭の上にちょこんと出ている狐耳もない。その代わりに、形の良い人の耳が左右にある。土方はその耳に唇を寄せて狐の名を呼んだ。すると、すぐに狐の腕が土方の腰に回される。
和花🌼
MEMOふぉっくろ小さい狐に嫁にするって言われる烏天狗の話
いつか長い話にできたらいいな
子狐【1】「そういえば、お登勢さんのところに狐が住み着いたそうですよ」
一日の報告の最後、雑談のような調子でそれを部下の山崎から聞いた土方は、手に持っていた書類から顔を上げた。
妖怪たちの揉め事を取り締まる真選組という組織は常に忙しい。本来であれば雑談などしている余裕はないのだが、その話には興味を引かれた。
「お登勢さんっていうと、あれだろ、妖怪だろうが鬼だろうが、金さえ払えば酒を飲ませるっつう、飲み屋だろ」
「そうです、そうです、山向こうの店ですよ。本人は、人間の店みたいにスナックなんて言ってますけどね」
「おまえがわざわざ報告したってことは、その住み着いた狐ってのは普通の狐じゃねえんだろ。妖狐か」
立ち上がりかけていた山崎は、土方が話に興味を示したため座り直して「そうなんですよ」と頷いた。
3009一日の報告の最後、雑談のような調子でそれを部下の山崎から聞いた土方は、手に持っていた書類から顔を上げた。
妖怪たちの揉め事を取り締まる真選組という組織は常に忙しい。本来であれば雑談などしている余裕はないのだが、その話には興味を引かれた。
「お登勢さんっていうと、あれだろ、妖怪だろうが鬼だろうが、金さえ払えば酒を飲ませるっつう、飲み屋だろ」
「そうです、そうです、山向こうの店ですよ。本人は、人間の店みたいにスナックなんて言ってますけどね」
「おまえがわざわざ報告したってことは、その住み着いた狐ってのは普通の狐じゃねえんだろ。妖狐か」
立ち上がりかけていた山崎は、土方が話に興味を示したため座り直して「そうなんですよ」と頷いた。
和花🌼
DONE銀土、九尾狐と烏天狗のパロ。ふぉっくろです。
お誕生日のお祝いに、書かせていただきました。
狐のお嫁さま ガランガランと鳴らされる鈴の音、パンパンと打ち鳴らされる柏手。今日はこれで何人目だ。もう数えんのもめんどくせぇ。
数年前までは、年始にだってこんなに人は来なかった。
周りに民家はあるとはいえ、この社まで辿り着くには、石段を登ってこなくちゃなんねえ。小さな山の上にあるかんね。だから、ふらっと寄って、お参りするには、ちょっと面倒な場所なんだよ。
それなのに、この参拝客の多さは何なの。
そっと社の中から外を見れば、長い黒髪を綺麗に結い上げた若い娘が必死に手を合わせている。
その娘が心の中で強く念じている想いが伝わってくる。
『お願いします。どうか、どうか、あの人と両思いに!』
また縁結びだ。
この娘の願いのように、好きな相手に想いが通じますようにという真っ当なものから、誰でもいいからとにかく恋人が欲しいという、必死なのかいい加減なのかわからない願いまで、様々な事を祈願されるが、そのどれもが近頃は恋愛事だ。
11293数年前までは、年始にだってこんなに人は来なかった。
周りに民家はあるとはいえ、この社まで辿り着くには、石段を登ってこなくちゃなんねえ。小さな山の上にあるかんね。だから、ふらっと寄って、お参りするには、ちょっと面倒な場所なんだよ。
それなのに、この参拝客の多さは何なの。
そっと社の中から外を見れば、長い黒髪を綺麗に結い上げた若い娘が必死に手を合わせている。
その娘が心の中で強く念じている想いが伝わってくる。
『お願いします。どうか、どうか、あの人と両思いに!』
また縁結びだ。
この娘の願いのように、好きな相手に想いが通じますようにという真っ当なものから、誰でもいいからとにかく恋人が欲しいという、必死なのかいい加減なのかわからない願いまで、様々な事を祈願されるが、そのどれもが近頃は恋愛事だ。
るい☆
DOODLEドラコレのチャラいモモちゃんを若頭のユキさんにビチョビチョにして欲しくて激しい荒ぶりのまま突如描きだしたユキモモの極道パロ😘❤️全然終らんかったんで次の休みの日にでも支部に上げようと思ってるんで良ければ見てやって下さいなw
ユキさんが超絶攻めだから烏天狗さんみたくなった🤣
ymsgr_y
DOODLE烏天狗❄️と長編夢主妖怪パロ小ネタです
交わる世界 もはや執念と言ってもいいだろう――ある時山で出会った人間はどうしようもなく私に魅入られてしまった。
否、正確には“人外という生物”に彼女は惹かれたのだろう。出会って以来何度追い返してもやって来る彼女を追い返すことも面倒になってきてしまった。目を輝かせて私を観察する彼女の視線にも慣れてしまった。
「ねえ、今日こそ身体を触らせてよ」
「あまりふざけたことを抜かすと本当に山奥に置いていきますよ」
「大丈夫だよ、私山の中歩くの得意だからさ」
この人間なら確かに大丈夫そうではあった。溜息を吐くことしかできない私を彼女は笑った。
「体の構造や雰囲気は私とは違う生き物なんだとは思うけどさ、それでも君は随分人間臭くて好きだな」
1288否、正確には“人外という生物”に彼女は惹かれたのだろう。出会って以来何度追い返してもやって来る彼女を追い返すことも面倒になってきてしまった。目を輝かせて私を観察する彼女の視線にも慣れてしまった。
「ねえ、今日こそ身体を触らせてよ」
「あまりふざけたことを抜かすと本当に山奥に置いていきますよ」
「大丈夫だよ、私山の中歩くの得意だからさ」
この人間なら確かに大丈夫そうではあった。溜息を吐くことしかできない私を彼女は笑った。
「体の構造や雰囲気は私とは違う生き物なんだとは思うけどさ、それでも君は随分人間臭くて好きだな」