甘寧
nagi_863
SPOILERサムレム弓君、策の名前を出さずにずっと策の話をしてるところにコエテクのこだわりを感じました。(曹操や甘寧の名前は出してるのに)そして一回も権の話をしないところもすごく断金でした。
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PASTブチ切れ陸遜 with K(興覇と公績)、の修正版※呂蒙殿死後の話
※陸遜のお兄ちゃんしてる甘寧と凌統が、私は好きです
虎の威は装飾品 あ、まずい。
そう悟った俺は咄嗟に、隣で寝転ける甘寧の首根っこを掴んで、後ろへ引っ張った。力の加減をつい忘れて甘寧が椅子ごとひっくり返るのと、軍議用のでかい机が真っ二つに割れたのはほぼ同時だった。
もんどりうつ甘寧とそれを軽く笑う俺の向かいには、愛刀である飛燕を握った陸遜が一人立っている。
「凌統テメェ!」
「あんたは俺に感謝すべきだ」
いきりたって周りの見えていない甘寧は、俺の言葉の意味を全く理解できていないようだった。首を傾げた甘寧に分かりやすく、無惨にも机の意味を無くしてしまったものを指差す。
注目すべき点は、奴が今までだらしない顔を預けていたところに、綺麗な斬れ目が伝っていること。
「なんだこりゃ」
6550そう悟った俺は咄嗟に、隣で寝転ける甘寧の首根っこを掴んで、後ろへ引っ張った。力の加減をつい忘れて甘寧が椅子ごとひっくり返るのと、軍議用のでかい机が真っ二つに割れたのはほぼ同時だった。
もんどりうつ甘寧とそれを軽く笑う俺の向かいには、愛刀である飛燕を握った陸遜が一人立っている。
「凌統テメェ!」
「あんたは俺に感謝すべきだ」
いきりたって周りの見えていない甘寧は、俺の言葉の意味を全く理解できていないようだった。首を傾げた甘寧に分かりやすく、無惨にも机の意味を無くしてしまったものを指差す。
注目すべき点は、奴が今までだらしない顔を預けていたところに、綺麗な斬れ目が伝っていること。
「なんだこりゃ」
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PAST陸遜のお兄ちゃんしてるかたわら、呂蒙殿のセ〇ム(無許可)やってる甘寧と凌統が、私は好きです成功報酬:肉の辛煮込み(一級) やった。ついにやったぞ。
故郷を離れ、間諜として建業に潜伏してから幾星霜。月日にして二月弱。
孫呉の都督・呂蒙の懐に入り込む機会が、ついに巡ってきた。
潜入するにあたり、わざわざ呂蒙邸付近に居を構え、初日に挨拶に伺い、手土産を持参したことがようやく功を奏したか。
成功報酬:肉の辛煮込み(一級)
彼は生来の世話焼きだ。
この国で知り合った者は、口を揃えて皆そう言った。
作りすぎた飯を分け与えられたり、切らした調味料を貸してきたり、ほつれた衣服を直されたり、寝坊する前に起こしてくれたり、等々。
もちろん、この習性を利用しない手はなかった。
うだつの上がらぬ商家生まれの書生という設定をでっちあげ、存分に世話を焼かせてやったのだ。案の定奴は、作りすぎた飯を分け与えてきたり、切らした調味料を……等々。
3040故郷を離れ、間諜として建業に潜伏してから幾星霜。月日にして二月弱。
孫呉の都督・呂蒙の懐に入り込む機会が、ついに巡ってきた。
潜入するにあたり、わざわざ呂蒙邸付近に居を構え、初日に挨拶に伺い、手土産を持参したことがようやく功を奏したか。
成功報酬:肉の辛煮込み(一級)
彼は生来の世話焼きだ。
この国で知り合った者は、口を揃えて皆そう言った。
作りすぎた飯を分け与えられたり、切らした調味料を貸してきたり、ほつれた衣服を直されたり、寝坊する前に起こしてくれたり、等々。
もちろん、この習性を利用しない手はなかった。
うだつの上がらぬ商家生まれの書生という設定をでっちあげ、存分に世話を焼かせてやったのだ。案の定奴は、作りすぎた飯を分け与えてきたり、切らした調味料を……等々。
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PAST猫の日なので過去作再掲(加筆修正ver)猟師呂蒙が行き倒れチェシャ猫甘寧となんやかんやあって同居生活をはじめた後の話
Lost Forest ─Meow′s day─ 理不尽さが、また愛おしい。
猫飼いの知人が、以前そう語っていたのを思い出した。
家具や壁に爪跡を残され、カーテンはズタボロ、衣類は舐め回されてベチャベチャに。ベッドの上、家主よりも先に我が物顔で眠る毛玉を、恍惚とした表情で眺めて。
呂蒙は生温かい目をして、知人の話を聞いていた。
数年後、同じような目に遭うことなど、当然知る由もなかった。
Lost Forest ─Meow′s day─
「甘寧っ」
その日、もう何度目か分からない呂蒙の怒号が飛んだ。呼ばれた本人、もとい本猫は大きな耳をぴくりと動かし、ゆったりと起き上がった。
「風呂から出たら体を拭けと言ったろう!」
「その布ぞわぞわするから嫌だ。こっちが良い」
1868猫飼いの知人が、以前そう語っていたのを思い出した。
家具や壁に爪跡を残され、カーテンはズタボロ、衣類は舐め回されてベチャベチャに。ベッドの上、家主よりも先に我が物顔で眠る毛玉を、恍惚とした表情で眺めて。
呂蒙は生温かい目をして、知人の話を聞いていた。
数年後、同じような目に遭うことなど、当然知る由もなかった。
Lost Forest ─Meow′s day─
「甘寧っ」
その日、もう何度目か分からない呂蒙の怒号が飛んだ。呼ばれた本人、もとい本猫は大きな耳をぴくりと動かし、ゆったりと起き上がった。
「風呂から出たら体を拭けと言ったろう!」
「その布ぞわぞわするから嫌だ。こっちが良い」
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PAST猫の日なので過去作再掲(加筆修正ver)猟師呂蒙が行き倒れチェシャ猫甘寧を拾った後の話
Lost Forest 2 呂蒙は決して、一斉に飛び立つ鳥達の群れだとか、タイミングを見計らったかのように止んだ雨だとか、小屋を開けた途端襲ってきた旋風だとかに驚いたわけではなかった。
ただ、件の化け猫が木からふらりと身を投じた瞬間、無謀にも受け止めようと咄嗟に走り出していた己の行動に、何よりも驚いていた。
Lost Forest 2
毎日、森の中の小屋に通っては、眠れる森の化け猫に世話を焼く。このイレギュラーな生活も、すでに一週間が経とうとしていた。
昨日ぶりに二匹の猟犬を伴ってやって来た呂蒙が異変に気がついたのは、丁度小屋の前に着いた時だった。
やけに静かな森の空気に、突然止んだ雨。小屋に向かって低く唸る猟犬達が決定打だ。
3564ただ、件の化け猫が木からふらりと身を投じた瞬間、無謀にも受け止めようと咄嗟に走り出していた己の行動に、何よりも驚いていた。
Lost Forest 2
毎日、森の中の小屋に通っては、眠れる森の化け猫に世話を焼く。このイレギュラーな生活も、すでに一週間が経とうとしていた。
昨日ぶりに二匹の猟犬を伴ってやって来た呂蒙が異変に気がついたのは、丁度小屋の前に着いた時だった。
やけに静かな森の空気に、突然止んだ雨。小屋に向かって低く唸る猟犬達が決定打だ。
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PAST猫の日なので過去作再掲(加筆修正ver)猟師呂蒙が行き倒れチェシャ猫甘寧を拾う話
Lost Forest 1 呂蒙は決して、獣の手だとか、獣の足だとか、獣の耳だとか、獣の尻尾だとかに驚いたわけではない。
そも、彼が住むこの国には、数多の人ならざるもの───獣人と呼ばれる存在が、人間社会に溶け込み暮らしている。森で少女と静かに過ごす美形の人狼、分刻みのスケジュールをこなすワーカーホリック気味な兎、美しいものを愛でる心優しき怪人。もはや獣ですらない者もいるが、そこはまあご愛嬌だ。
そういった面々と付き合いがあるので、雨降る森の中で猫が行き倒れていることなど、呂蒙にしてみればそう大層なことではなかった。
ただ、その猫が、切れかけの電灯のように、その身を点けたり消したりしていることに、驚いただけなのである。
Lost Forest 1
2706そも、彼が住むこの国には、数多の人ならざるもの───獣人と呼ばれる存在が、人間社会に溶け込み暮らしている。森で少女と静かに過ごす美形の人狼、分刻みのスケジュールをこなすワーカーホリック気味な兎、美しいものを愛でる心優しき怪人。もはや獣ですらない者もいるが、そこはまあご愛嬌だ。
そういった面々と付き合いがあるので、雨降る森の中で猫が行き倒れていることなど、呂蒙にしてみればそう大層なことではなかった。
ただ、その猫が、切れかけの電灯のように、その身を点けたり消したりしていることに、驚いただけなのである。
Lost Forest 1
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MOURNING荊州if開幕記念!前作の赤壁ifでの甘寧と黄蓋、甘寧と尚香のやりとりが最高オブ最高だったことを思い出したので、幕間を考えてみました
カプ要素はありませんが、蒙甘工場従業員が同生産ラインで仕上げた作文です お察しください
ナイショの話 劉玄徳様、素敵な人だったな。
走り続けて消耗された体力よりも、弾む心拍に意識が向いてしまう。
こんな状況でおかしいかしら。孫尚香は覚えのない鼓動を打つ胸を、きゅっとおさえて壁にもたれた。
「どこから聞いてた」
なので、隣で返り血を拭った甘寧が問いかけてきても、関心事が他所にできた尚香の反応は薄い。
数秒間を空けたあと「あ、私か」と尚香が呟くと、甘寧は怪訝な顔をして返答を待っていた。
劉備の助力もあって追撃する曹操軍からなんとか逃げのびた尚香と甘寧は、補給拠点で体力の回復に努めていた。
遠くから怒号が響く。船がぶつかる轟音に、鋼が打ち合う音も。
戦時の甘寧は厳しい。それこそ、主君の妹である尚香と上官の妻である小喬に『無駄話をするな』『集中しろ』と遠慮なく正論で怒る程度には。
1794走り続けて消耗された体力よりも、弾む心拍に意識が向いてしまう。
こんな状況でおかしいかしら。孫尚香は覚えのない鼓動を打つ胸を、きゅっとおさえて壁にもたれた。
「どこから聞いてた」
なので、隣で返り血を拭った甘寧が問いかけてきても、関心事が他所にできた尚香の反応は薄い。
数秒間を空けたあと「あ、私か」と尚香が呟くと、甘寧は怪訝な顔をして返答を待っていた。
劉備の助力もあって追撃する曹操軍からなんとか逃げのびた尚香と甘寧は、補給拠点で体力の回復に努めていた。
遠くから怒号が響く。船がぶつかる轟音に、鋼が打ち合う音も。
戦時の甘寧は厳しい。それこそ、主君の妹である尚香と上官の妻である小喬に『無駄話をするな』『集中しろ』と遠慮なく正論で怒る程度には。
claclaclalan
PASTかんねとりょとほむぺで拍手文にしていたものを逆輸入します
二次創作みが強い
娯楽 その日、孫呉の者たちは束の間の行楽を迎えていた。国同士が睨み合うだけの膠着状態に陥り、鬱憤が溜まる武将たちを見て、呉軍君主孫権は久方ぶりに狩猟を提案したのである。お祭り好きの将たちは皆喜んで参加を表明した。
黄祖の元を去り、呉に甘寧ありと言わしめた男もその一人であった。狩りそのものは仲間内で細々としていたが、国の将たちがこぞって参加するような規模は初めてであり、腕が鳴るとばかりに弓を拭いている。
「この度の狩猟は久しぶりですから、修羅で行きたいと思います」
にっこりと素敵な笑顔を振り撒いた軍師陸遜の言葉に、周囲がざわつく。しかし、それを甘寧はすっかり聞き逃していたのである。
***
「……へぇ。鈴の甘寧さんに、こんな趣味がおありだったとはね」
3185黄祖の元を去り、呉に甘寧ありと言わしめた男もその一人であった。狩りそのものは仲間内で細々としていたが、国の将たちがこぞって参加するような規模は初めてであり、腕が鳴るとばかりに弓を拭いている。
「この度の狩猟は久しぶりですから、修羅で行きたいと思います」
にっこりと素敵な笑顔を振り撒いた軍師陸遜の言葉に、周囲がざわつく。しかし、それを甘寧はすっかり聞き逃していたのである。
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「……へぇ。鈴の甘寧さんに、こんな趣味がおありだったとはね」