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    生きて

    miyomimin

    DOODLE願いを叶える祠のお狐魏無羨と人に関わらずに生きている龍の藍忘機の話。龍狐AU。

    続き物の2話目。
    前回→https://poipiku.com/3917923/9223625.html
    龍狐AU。2話目。次の日も藍忘機は夷陵の地に降り立っていた。理由は至極簡単。ずる賢いあの男にまんまと逃げられてしまったからだ。体よく煙に巻かれたのだと気付いたのは、あの男がいなくなってからの事だった。実に鮮やかで、巧みな逃走劇だ。そしてなんとも憎らしい。巧みな話術で話題を逸らし、相手の意識を少しだけ自分以外のものへと外す。こちらが気が付いた時には時すでに遅し。意識の外でふらりと姿を消して、文字通り煙に巻かれたかのような感覚にさせられたのだ。あれはきっと常習的にあのような手段を行っているのだろう。なにせ彼は『厄介者』だ。その噂を聞きつけて、彼の行いに眉を潜めてここに来る神獣は藍忘機だけではなかったのだろう。
    眼前に広がる分かれ道を前に指先を伸ばして空に紋を描く。指先の動きに合わせるように視界がぼやけたかと思うと、先ほどまで確かに存在していたはずの分かれ道は消え、中央に新しい道が姿を現した。またこれだ。この山の中は結界だけでなくこんな風に迷いの陣が張り巡らされているのだ。おそらく、麓から山頂にかけて全てに。人間であれば迷う事はないだろう。なにせこの山の主は人間に肩入れしているような神獣であるのだから。だが、神獣となれば話は変わってくる。彼らの有する神聖なる霊力が陣の影響によって目的地を見失うようになっているのだ。祠を目指して歩いていれば、いつのまにか下山していた。なんて事は当然のように起こり得る。……昨日迷う事なく祠に辿りつけたのは、おそらくあの男の気まぐれだろう。あの楽しそうに笑っていた姿がまさにその証明だった。なんと腹立たしい事か。
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    yowailobster

    DOODLE20211128 この世結婚できなくても二人で生きていられるかたちが増えてきてるけどやっぱ現実的な諸々において結婚って制度から何から強すぎるから他を上げるかそれさえするつもりないなら制度自体の自由度上げてほしい し 結婚したがってるCPはしてほしいなーと思うので 自カプは結婚します
    ひかりと道連れ 香ばしい匂いに鼻先をくすぐられ慌てて立ち上がる。オーブントースターを開けば予想通り食パンは焦げる一歩手前で自分を待っていた。
     大丈夫、ちゃんとおいしくいただくから。
     取り出しついでに代わりを一枚投入。こっちはもう少し気にしておこう。みみのはしっこはカリカリで表面はカリッ中はふわふわが理想だ。別に彼の好みぴったりに合わせなくていいし、そもそもまだ隣の部屋で夢を見ているだろう人の分までわざわざ用意しなくてもいいとは思う。焼きたてを即口に入れたい派だったらこちらが用意する時点で間違いなわけだし。
     そう理解しながらも角へぶつけた生卵をフライパンの上で開いていた。どちらもがじゅわっと鳴いてオレンジの周囲へ白が広がる。何をつけようか。朝だからあっさり塩だけ。元気にケチャップ。こしょうとはちみつ。これこそ好みだから訊いてからの方がいいかな。彼はどうしていただろう。どんなふうに自分へ。
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