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    miyomimin

    @miyomimin

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    POIPOI 29

    miyomimin

    DOODLEA○Fの魔法使いと使い魔AU。
    魏嬰が消えたあとの藍湛と使い魔たちのあれそれ。
    私の鏡。使い魔は鏡だ。
    そう教えてくれたのは私の叔父だった。

    使い魔は鏡だ。己の内面を映し出し、己の内面によってその性質がきまる。故に、使い魔を制御するには己の内面を鍛える必要がある。利己的にならず、奢らず、常に謙虚な姿勢を保ち、礼儀正しく清く生きる。それこそが、優秀な魔法使いと優秀な使い魔なのだ、と。

    その言葉を思い出しながら私は自分の使い魔を見下ろした。
    床にぺたりと座り込み、ただじっと目の前で眠り続けている魏無羨の使い魔を眺めている私の使い魔。
    幼くまろみのある頬は年相応の容姿をしているのに、何の感情も見せない瞳が大人びてように見える。そのちぐはぐな使い魔が見つめる先には小さな寝台がひとつある。寝台の上を埋め尽くすかのように色とりどりの花が並べられ、その中で丸まって眠る魏無羨の使い魔が穏やかな寝息を立てていた。眠る使い魔はもう数年、目を覚ましていない。彼のマスターである魏無羨がいなくなった日から、彼の使い魔はずっと眠り続けているのだ。己を封印したのだろうと、誰かが言っていた。己のマスター以外には従わない。己のマスターにのみ従属する。その感情の表れが彼の使い魔を眠りの世界に誘ったのだ。
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    miyomimin

    DOODLE願いを叶える祠のお狐魏無羨と人に関わらずに生きている龍の藍忘機の話。龍狐AU。

    続き物の2話目。
    前回→https://poipiku.com/3917923/9223625.html
    龍狐AU。2話目。次の日も藍忘機は夷陵の地に降り立っていた。理由は至極簡単。ずる賢いあの男にまんまと逃げられてしまったからだ。体よく煙に巻かれたのだと気付いたのは、あの男がいなくなってからの事だった。実に鮮やかで、巧みな逃走劇だ。そしてなんとも憎らしい。巧みな話術で話題を逸らし、相手の意識を少しだけ自分以外のものへと外す。こちらが気が付いた時には時すでに遅し。意識の外でふらりと姿を消して、文字通り煙に巻かれたかのような感覚にさせられたのだ。あれはきっと常習的にあのような手段を行っているのだろう。なにせ彼は『厄介者』だ。その噂を聞きつけて、彼の行いに眉を潜めてここに来る神獣は藍忘機だけではなかったのだろう。
    眼前に広がる分かれ道を前に指先を伸ばして空に紋を描く。指先の動きに合わせるように視界がぼやけたかと思うと、先ほどまで確かに存在していたはずの分かれ道は消え、中央に新しい道が姿を現した。またこれだ。この山の中は結界だけでなくこんな風に迷いの陣が張り巡らされているのだ。おそらく、麓から山頂にかけて全てに。人間であれば迷う事はないだろう。なにせこの山の主は人間に肩入れしているような神獣であるのだから。だが、神獣となれば話は変わってくる。彼らの有する神聖なる霊力が陣の影響によって目的地を見失うようになっているのだ。祠を目指して歩いていれば、いつのまにか下山していた。なんて事は当然のように起こり得る。……昨日迷う事なく祠に辿りつけたのは、おそらくあの男の気まぐれだろう。あの楽しそうに笑っていた姿がまさにその証明だった。なんと腹立たしい事か。
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