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    第1話

    無理太郎

    DONEX(Twitter)に載せている現パロ風守護獣ファンタジー小説の第1話です。守護獣と呼ばれるものが人間に憑いて護っているという世界観です。一応恒刃です。
    狐火「応星さん?」
    目が覚めた。長い間、朧げに夢を見ていたようだ。碧い眼をした青年が俺の顔を覗き込みながら話しかけてくる。電車の中には俺達二人しか居ない。
    「もうすぐカフカさんから言われた駅に着くが…大丈夫か?」
    「…ああ、ありがとう。」
    俺達はカフカという雇い主からの依頼で、電車に乗ってとある辺境の田舎に来ていた。といっても、この青年は俺と違い雇われでも何でもなく、良心と少量のお駄賃程度で俺の仕事に付いてきてもらっている。名は丹恒という。
    「折角の休みなのにこんな依頼に付き合わせて悪かった」
    「いや、本当に気にしないでくれ。俺が付いてきたくて付いてきたようなものだから。」
    それにちょっとした旅行のようで気分転換になる、と隣の青年は軽く笑う。こう言って貰えると俺も罪悪感を抱かずに済む。名前はさん付けなのに敬語ではないのは、彼に敬語を使われるのに異常な違和感があった俺が使うなと頼んだからだ。けれど俺より年齢が一回りは下の彼には流石に呼び捨ては躊躇われたらしい。
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    rica_km

    PROGRESSDK宇煉シリーズ:プロローグはドロライお題「短髪・ほっぺたむにー」でツイッターへ投稿した分です。
    こちらは、プロローグ・第1話・第2話です
    【続き03】https://poipiku.com/5529112/8888661.html

    加筆して全文支部へ掲載しました
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20703442
    応援団長宇髄くんと剣道部員煉獄くん◆00〜02◆プロローグ

    「黙想ーッ!」
     剣道部部長のよく通る声が剣道場の端まで響く。
     正座で整列している部員たちが目を閉じる。部員ではない宇髄はごく普通に立ち歩いたとて構いやしないのだが、この三十秒ほどの間はぴたりと動きを止めて壁際に立って待つ。両手には大きな薬缶をぶら下げている。中身は朝仕込んでおいた麦茶だ。
     三十名ほどの部員が揃って心静かに今日の稽古を思い返し、週末の地方予選に気持ちを整えている中で、宇髄も静かに深呼吸をする。
    「——黙想やめ。——先生、先輩方に向かって、礼!」
     一斉に床へ両手をついて深く礼を。続いて神棚のある正面へ向かって礼をし、解散。今日の練習はここまでだ。
     ピンと研ぎ澄まされていた剣士たちの空気は、途端にごく普通の高校生男子のさざめきに変わる。宇髄は剣道部員の一年生を呼び集めて、紙コップを配る係と麦茶を注ぐ係に分けた。そして自分はそれぞれの列の整頓を始める。まずは三年生から。
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