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    酔っぱ

    あおと

    DOODLEプロヒかっちゃんと大学生デクくん
    飲み会で酔っぱらったデクくんを迎えに行って、ポロりと零された本音の一端を知るかっちゃん
    (出したいなぁ、と書いている原稿の一部より)
     書き終えた報告書を送信し、ノートパソコンを閉じる。少しばかり凝った首を解しながら、どれだけ却下しようともこれは絶対に掛けたいんだと出久が断固として譲らず結局俺が折れたオールマイトモデルの掛け時計へと視線を向ければ、針が間もなく二十二時を示そうとしているのを認めて、眉間に皺を寄せた。

     遅せぇ。

     学部の飲み会だとは聞いている。だが今朝出ていく際、「始まる時間は早いから、二十一時までには帰ってくるよ」と宣言していったはずだ。
     一時間オーバーしてんぞ、おい。
     机の脇に放置していたスマホにも連絡は来ていない。別に自分だって、仕事が長引いて帰りが遅くなることはままある。野郎の帰りが遅いくらい、いちいち気にする必要なんざ本当なら全くないが、ひとりにするとふらりといなくなる前科があるだけに、こと出久に関しては放置し難い。かといってGPSまでは流石にやり過ぎだろうと思い、代わりにお互い仕事であれバイトであれ、予定よりも帰宅が遅れる場合は必ず連絡を入れるよう、同居時のルールのひとつとして設けたのだ。誰の為に決めたルールなのか知ってか知らずか、かっちゃんって意外とそういうところ厳しいよね、なんて呑気かつ無礼な発言をしながらもあいつだってこれまで律儀に守り通してきた。
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    ニシン

    DOODLEもう今年も終わるんですね。へー早いや。私の気分はまだ10月です。
    酔っぱらいキス魔の続きですが、今回えっちなお騒がせキス魔は誕生しておりません。完全にカットしていい部分しかないですが、書いてしまったので載せます。
    読めりゃなんでもいい!という腹ペコヤギさんのような方だけどうぞ。
    東城会忘年会【東城会忘年会(前日譚+酔っ払い前まで)】
    ※過剰飲酒とキス魔 の続き


    □東城会本部 会長室

    会長室の扉が蹴り開けられ、「おう、おったおった」という無遠慮な声が響いた。鉄板の仕込まれている靴でしか出せない不気味な音が近付いてくる。

    「お帰りください」

    土地売買の契約書を読み込んでいる最中で忙しかった大吾は、無遠慮な来訪者にしっしと手を振った。
     
    「言われんでも忘年会の日付聞いたら帰るわ、いつやっけ」
    「今週末です。ではまた」
    「早ぁ。桐生ちゃん空いてるとええけどなぁ」

    大吾はそこで初めて、目を通していた書類から顔を上げ、「なぜ…?」という顔をした。
    真島の言い方ではまるで、桐生を忘年会に招待するように聞こえる。積もる話もあるし、会える機会が多くない大吾としては嬉しいのだが、なぜわざわざ東城会の忘年会に招待するのかが全くわからなかった。東城会の忘年会は数ある酒の席の中でも最悪だからだ。
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