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    錯覚

    泡沫実践

    DONEソロフォルです。

    6章前のふたりのお話ですが、メインシナリオを8章3節まで終わらせた手で書いております。
    ふたりが相互に友だち認識であることがとびきりに嬉しくて書き上げた幻覚です。無敵で幸福な錯覚を決して夢だと言わない友だちという関係性がすきです。
    隣の青を知っている ある男が、目の前の男の頰を打った。骨が軋む、音が、悲鳴のように鳴る。殴られた男は、畜生、と吐き捨て、その眼を憎悪に燃やし、裂けるほど右の頬を吊りあげた。眉下の皮膚で三角形を描いたその男は、素早くしゃがみこみ、道端の石を拾う。
    「…………ッ!」
     声にならぬ咆哮は、まさしく獣のそれで、あった。茹立つ眼の鈍色には赤が奔り、明確な攻撃の意図をもって、男はそれを投げつける。
    「ざけんなテメエが死ねッ、おっ死んじまえ、!」
     いっぽうの男もまた、明らかな攻撃の意図が、あった。石に打たれた左肩の痛みは、併し男の冷静をより失わせる効果を表した。分厚い手をぐっと折り曲げ、もう一発くれてやると、熱く息を巻く。
    「訳分かんねえ奴らの言葉に騙されやがって、テメエにとってこの村はその程度だってか? 死ね、どっか行っちまえ、あいつら諸共今すぐ、この村から、なあ、聞いてんのかボケが、クソッ、どっか行けよ、死ねよ、なあ、死ね死ね死ね死ね、死ねッ!」
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