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    音頭

    ksrg08871604

    DOODLEイカれた夫婦(出典:サブスポエピ)の式で乾杯の音頭を取るシャイロック
    飽きてなかったら後で茶々入れるムルまで書く
    新たな門出、祝福の日。とある魔法使い夫婦の結婚式でその人は主役たちよりも人目を引いた。
    「では、僭越ながら私から乾杯のご挨拶を」
     シックでシンプルな礼服を纏っていたがむしろそれは彼の美しさを引き立たせていた。シャンパングラスの足をそっと摘んだ指さえも優雅だ。男女問わず多くの人々が見惚れている。そんな中、主役夫婦はというと、二人ともがうっとりと彼を見つめている。バージンロードで見つめあった時や、誓いのキスを交わした時より熱っぽい視線だ。彼らの馴れ初めを知らずその上壇上の男に酔いしれていない幾人かは戸惑いを隠せないのは当然だろう。
     しかし二人の事情をよく知る者──つまり、俺を含むベネットの常連は動じていなかった。
     いや、より正しい表現をするのであればシャイロックで頭がいっぱいになっている様子ではないごく少数の常連は、だ。
     抜け目のないシャイロックは考えた文章は全て頭に叩き込んだ様子。にこりと今が盛りの薔薇にも優る艶やかな笑みを浮かべた。
     一番後ろの席からは会場全体が見渡せる。今の一瞬で5人は頬を染めて俯いた少女がいた。太ももを抓る配偶者持ちの中年も二人。会場の3割以上の魔法使いが 793