Recent Search

    ksrg08871604

    @ksrg08871604

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 19

    ksrg08871604

    DOODLEイカれた夫婦(出典:サブスポエピ)の式で乾杯の音頭を取るシャイロック
    飽きてなかったら後で茶々入れるムルまで書く
    新たな門出、祝福の日。とある魔法使い夫婦の結婚式でその人は主役たちよりも人目を引いた。
    「では、僭越ながら私から乾杯のご挨拶を」
     シックでシンプルな礼服を纏っていたがむしろそれは彼の美しさを引き立たせていた。シャンパングラスの足をそっと摘んだ指さえも優雅だ。男女問わず多くの人々が見惚れている。そんな中、主役夫婦はというと、二人ともがうっとりと彼を見つめている。バージンロードで見つめあった時や、誓いのキスを交わした時より熱っぽい視線だ。彼らの馴れ初めを知らずその上壇上の男に酔いしれていない幾人かは戸惑いを隠せないのは当然だろう。
     しかし二人の事情をよく知る者──つまり、俺を含むベネットの常連は動じていなかった。
     いや、より正しい表現をするのであればシャイロックで頭がいっぱいになっている様子ではないごく少数の常連は、だ。
     抜け目のないシャイロックは考えた文章は全て頭に叩き込んだ様子。にこりと今が盛りの薔薇にも優る艶やかな笑みを浮かべた。
     一番後ろの席からは会場全体が見渡せる。今の一瞬で5人は頬を染めて俯いた少女がいた。太ももを抓る配偶者持ちの中年も二人。会場の3割以上の魔法使いが 793

    ksrg08871604

    REHABILIムル夢
    鯖よろしくムルハートに着地を任される弟子
    例のごとく口論相手の傷口に塩を塗って激高させた師匠は、背は低いが恰幅のいい男に突き飛ばされて、たたらを踏んだ。いつに増して最悪なのはここが見上げるほど高い塔のらせん階段ということ。ぐらりと傾いで師匠の体は真っ逆さまに中央に空いた穴へ落ちていく。
    「師匠! 」
     息を飲んで追いかけるように飛び降りた私を見て、愉快そうに彼は微笑んだ。そんな悠長な反応と持ち上げられるような感覚で胃が苦しい。だというのにあの野郎、能天気にも言い放った一言がこれだ。
    「着地は任せたよ」
     耳は風を切るびゅうびゅうという音で使い物にならなかったけれど気まぐれに教えられた読唇術がしっかりと役に立った。
     何が”任せた”だ試すように命を預けやがって! 
     広がるマントは一見翼の様だけれど、彼の落下速度低下の一助になっているかは怪しい。自由落下じゃ追いつけない。どうしよう、考えている間に底が見えてきた。地下室の床だ。石造りのあそこに叩きつけられれば並みの強度しかない師匠の体は取り落としたプディングより悲惨なことになる。いや、魔法使いだから粉々の石くずになるだけか。
     そう思い至って私は肝心なことをようやく思い出した。
    1234

    ksrg08871604

    REHABILIムルとご飯を食べてる弟子のSS「こんなに食事を師匠と共にしているのだから、そろそろいい加減私も、もっと頭が良くなってもいいと思うんだよね」
     本気とも冗談とも言い難いフラットな声音でマリーがそう言った。ムルは口の中にある玉ねぎと鯛の切り身をゆっくり咀嚼した。ビネガーを効かせた酸っぱめのカルパッチョはムルのリクエストで彼女が作ったものだった。
    「君の想定している"頭の良さ"と俺と同じ献立を口にすることにどんな因果関係があるんだ? 」
     さして興味もなさそうに返された言葉にマリーは口を尖らせた。
    「だって、細胞って食べたモノから成るんでしょ。一年以上あなたに師事してるし肉体の構成要素としてはあなたとかなり近しくなってるんじゃないかなって」
    「君は俺と同じになりたいの? 」
    「どうかな、師匠の賢くって博識なところは羨ましいけど。人から嫌われたり好かれたりが自分でも把握できないくらい激しいところは疲れそうだし短い寿命でもないのに延々と得体の知れないものに片想いしてるのもなんだかなって感じ」
    「つまり同一化願望ではないわけだ。ならば結構。同じモノがいくつもあるなんてつまらないからね」
     そう言ってムルはシャンパンを口に含んだ 745

    ksrg08871604

    TIREDムルの弟子がベネットの酒場の軒先でシャと喋ってるだけそういえば数か月師匠を見かけて居ない。

     厄災を眺めながら晩酌をしているとき、ふとその事に気づいた。
     しかし特にどうということもない。常に世界中を飛び回り、気の向くまま行動している彼は数年消息を絶つこともざらだからだ。さすがに安否を確認したほうが良いんじゃないかと思い始めると西の天才がやらかしたという噂を耳にし、拍子抜けするというのが常だった。今もどこかで研究に没頭しているのだろう。慣れというのは恐ろしい。師匠の元を離れて初めの百年は今度こそ石になってしまったんじゃないかと泣きながら方々探し回り気の休まる時間の方が少なかったが、今じゃ何の憂いもない。全く気がかりではないと言えば嘘になるけれど、数ヶ月連絡が途絶えたくらいじゃ四六時中心配するなんてことはなくなった。
     きっと今も世界のどこかであの厄災に性懲りもなく愛を囁いているのだろう。熱っぽく夜空を見上げる師匠を思い浮かべながらオリーブを口に入れた。数百年前出会ってから今日まであの人が変わらず情熱を傾けることと言ったらその厄介な恋慕くらいのものだから。
     しばらく舌で転がした丸い実をかみつぶしたら思ったよりも酸っぱすぎて眉間に皺が寄 2535

    ksrg08871604

    MAIKINGムルとカジノとにょたシャイロックにイカれた男と巻き込まれ弟子 書きかけ道化の滑稽なトッカータ
     悲喜交交の喧騒、立ち込める煙の匂い、高い天井とぶら下がる煌びやかなシャンデリア。私は師匠の付き添いで西の国有数のカジノに来ていた。師匠の腰掛けた椅子の後ろに立ち、ずっと駆け引きを見守っている。師匠にしては珍しい、見ているだけで具合の悪くなるような胃が引き攣るような負け戦だ。数時間前の自分を呪いたい。なんで師匠を止めなかったのかと。
    「世紀の知恵者も幸運の女神に見放されちゃ終いだな!約束通りその指輪は俺のものだ!」
     喧騒の中でも、その男の外卑た笑い声ははっきりと耳に届いた。太い親指と人差し指が摘んでいるレッドベリルの指輪は師匠の魔道具だ。
    「ふむ、宝石箱をもう一つ持ってくるべきだったな。この短時間で魔道具も賭けることになるとは」
     そんな絶体絶命の危機でもムル・ハート──我がお師匠さまだ──はカフェで一服しているような余裕のある笑みを滲ませている。その頭の中では光が目に届くより素早く思考が巡っているのだろう。一体どんな手で相手を負かす算段をしているのか私には計り知れないが。魔法もイカサマも約束によって封じられたこの状況で彼の手札はその優れた頭脳のみ。普段であれ 3543

    ksrg08871604

    DONE書き初め!ムルの弟子設定夢!
    旧ムルのうっかりで死にかけたりするのでなんでも許せる人だけ
    果てがないのは君の夢
     
     ・ネグレクトっぽい描写があります
     ・回想パートで出てくる旧ムルがかなりろくでなしです
     ・水分をとっている場合餓死に至るまで実際はもっと猶予があるかもしれませんが捏造フィクションなので事実を捻じ曲げました


    [#改ページ]

     のどかな晴れた日の午後。私は西の国での怪物討伐のお礼にケーキを届けたらすぐに魔法舎から退去するはずだった。しかし、気づけば西の魔法使い達と賢者様のお茶会に巻き込まれていた。
     
     ことの発端は入口で顔見知りのシャイロックさんに声をかけたこと。心地よい文句で誘われて、あれよあれよという間に優雅なアフタヌーンティーの席についていたのだ。礼をするはずの5人全員を相手に逆にもてなされるのは申し訳ないが、ここで断る方が失礼だろう。それに、シンプルながら美味しそうなサンドイッチとスコーンの乗ったハイティーセットは大変魅力的で、ちょうど私が持ってきたお土産を頂上に乗せれば完璧。その様子は豊かの街のホテルに勝るとも劣らない美しさだ。何より西の魔女は誘惑とキラキラしたものに弱い。申し訳ない、と言いつつ喜色を隠せずに私は早速、賢者様の注いでくれた紅茶 6391

    ksrg08871604

    REHABILI寝れない賢者に気づいたルチル
    お題ガチャに沿って書いたセルフワンライです
    変なところで終わります
    ほろ酔い気分で廊下を歩いていたルチルは広間からあかりが漏れていることに気づいた。夜も更けた午前零時。またミスラが眠れずにいるのかも、と中を覗いた彼が見たのは華奢な後ろ姿だった。焦茶のロングヘアは彼女に違いないだろう。
    「賢者様?」
    呼びかけると緩慢な動作で目の前の女性が振り向いた。
    「あ、ルチルでしたか。」
    心なしか目の縁が赤い。涙の跡はないが泣いていたのかもしれない。ルチルは心を痛めて口を開きかけたが慌てたように賢者がそれを遮って話し始めた。
    「あの、別に何かあったわけではないんですが……。ちょっと夢見が悪くって。」
    「夢見、ですか。」
    「すぐに寝ちゃうと続きをまた見てしまいそうでここまで来ちゃいました。」
    誤魔化すように、から笑いする賢者の顔色は彼女を照らす月光の青白さを抜いても良いとは言えない。確か明日も午前中から西の国で調査があると言っていたはずだ。こんな様子の彼女へただ眠りなさいと勧告するのはあんまりだけれど、このまま徹夜するのも体が心配で、どうしたらいいか考えあぐねながらルチルは賢者の佇む窓辺へ歩み寄った。
    「賢者様……。」
    なんの気はなしに窓枠へ添えられた賢者の手に自分の 1913