Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    88

    時緒🍴自家通販実施中

    TRAININGくだらない喧嘩をしちゃった二人の仲直りのお話です。
    800文字チャレンジ88日目。
    他愛のない喧嘩(仲直りの方法) 別に大した理由があったわけじゃない。そんな大した理由があっての喧嘩じゃない。かといって、他愛のない喧嘩と言われればそうじゃない。それなりに真剣に喧嘩をしたと思う。狡噛は哲学書を引用して俺を責め、俺は過去の彼の不出来を持ち出して責めた。どちらも本気の喧嘩だった。喧嘩の原因はそうだ、多分食事後の皿をそのままにしていた狡噛を俺が注意したのが始まりだったのだけれども。あぁ、これじゃあ他愛のない喧嘩か。
     
    「あなたたち、喧嘩をするのはいいけど、オフィスにまで持ち込まないでよね」
     喧嘩の当日、花城はそう言った。そんなに剣呑さが顔に出ていただろうかと思うが、ここで素直に謝るのも少し違う気がして黙っていると、「そういうのをやめなさいって言ってるのよ」とたたみかけられた。狡噛はこうなるのが分かっていたのか煙草休憩で、さっきからずっと姿が見えない。すると花城は言った。「追いかけて謝りなさいよ」でも、皿を出しっぱなしにしたのは狡噛が悪いんじゃないか? そう言いかけると、「先に謝るとこれから立場が上になるわよ」との花城の提案が追いかけてくる。それならいい。上の立場に立てるなら、謝ってやってもいい。でも、どうやって謝る。すまなかったって、どんなふうに?
    984