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    8月

    uxiro_xxxx

    TRAINING【嶺蘭SS】
    8月4日 / 酔い

    #ういの夏の嶺蘭強化月間シリーズ
     玄関の開閉音と同時に強い物音が響いた。
     日付の変わる手前の時刻。リビングでうたた寝をしていた蘭丸は、その物音で目を覚まし、思わず立ち上がった。リビングのドアを開け、玄関に向かうと、嶺二が玄関から廊下へ倒れ込むように転がっていた。蘭丸は嶺二の側に駆け寄り、その背中を摩る。
    「おい、大丈夫かよ……って……クセェ」
     嶺二からは、汗臭さに混じった居酒屋特有の油っぽさとアルコール臭がした。「クセェ」その一言に反応するように、倒れていた嶺二がもぞもぞと顔を上げようと動く。汗ばみ紅潮した顔面が、蘭丸のほうを向く。
    「だははランラン。クセェってドイヒー」

     普段からふざけたハイテンションなノリが通常運転とはいえ、酒に呑まれるようなことあまりない。こんな風に悪酔いして帰ってくるなんてことも、蘭丸はあまり見てこなかった。……というより、決まって蘭丸が先に酔って記憶が飛んでいることがほとんどだった。いつかの日に「酔ってベロンベロンになったランランを介抱するぼくの身にもなってごらん?」と言われたこともあったが、逆の立場が来いと頼んだ覚えはない。今日は嶺二が出演していたドラマの打ち上げで、夜まで飲み会とは聞いていた。ヘラヘラと緩み切っただらしない顔を見せ、また床へと頭を突っ伏す。こんな状態でよくもまあ一人で帰って来れたものだと、蘭丸はため息をついた。しゃがみ込み、艶めいた栗色の頭に手を当て、軽くゆする。
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