空に光るはすべて星　081〜090240706
新着メール1件

やっぱりあんただったか！見慣れないメアドからメール来てたからもしやと思って…体調は大丈夫。顔を見せたとたん弟が倒れたのは驚いたけど、明日学園に顔を出して、それから会社を引き継ぐつもりだ。色々ありがとう、話せて嬉しい。…えーと、なあ、あんたさえよければ、また連絡しても…いいかな…？

あいつの最期はニュースで知った。事故か暗殺か不明なまま、幾つかの組織が名を挙げようと軽率に犯行声明を出し、俺はこれから腹立ちまぎれにそいつら全員木っ端微塵にする。悲しみを紛らわすための暴力、そうさわかってる最低だ。メール着信の音が鳴り、あいつからだと一瞬思う。そんな事絶対無いのに


240707
あの星を狙え！

extinguish　夕暮れの路地裏を疎らな距離感で闊歩する男が4人。談笑するでもなく各々の速度で暗闇に紛れて進む。数本の路地裏の曲がり道を経て、廃墟と言って差し支えないビルの前にたどり着く。タブレットで地図を見ていた阿久根は顔を上げると、後ろに続く3人へ片腕をかざして止まるように促す。

「ここですね」
「…ここか。燐童が先頭でナビゲート、俺と丞武が両翼に別れて突っ込む。有馬は…」
「留守番してるわ」
「見張り、ですね。煙草の数本のうちに終えるでしょうからよろしくお願いします〜」
「おう」

　言葉少なに打ち合わせると谷ケ崎による合図で3人は廃ビルの中へ音もなく吸い込まれていく。その後ろ姿を半分も見送らないうちに、有馬はふらふらと足の赴くまま斜向かいの路地へ歩を進め、壁に背をつける。