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    yugayuga666

    DONE【小説】憧憬/さとあす
    テキストver.です。

    画像ver.
    https://poipiku.com/7817908/90
    憧憬「最近、すっかり暑くなりましたね。明日ノ宮先生」
     そう言ってぐい、と向かいのソファで麦茶を飲み干す彼の額には確かに、大粒の汗が滲んでいた。
    「そうか、もうそんな季節か」
     正直、小説家という仕事柄、この家から殆ど外へ出ない私にとっては、季節など些末な問題であった。常に空調の効いた室内の温度は一定に保たれ、私から四季という概念を奪って久しい。それでも、彼が──佐藤入間が私の担当編集となってからは、彼の運んでくる風が、言葉が、全てが──鮮やかな世界を見せてくれた。
     それが、私は、嫌いではなかった。



    「そういえば先生、ポストにこんなチラシが」
     傍らへ鞄や上着を置くのも早々に、一枚のいかにもといった光沢紙を机上へ差し出す。他人の郵便物など放っておけばよいものを、と初めは煩わしく思っていたが、付き合いが長くなるにつれ不要なDMの類は勝手に処理してくれていたり、興味を唆る様なものはこうして話題にあげてくれたりと、今では寧ろ有り難い。そんな彼のお眼鏡に叶ったらしい紙きれを覗き込む。それは、色とりどりの花火を背に目がチカチカする配色のゴシック体で『納涼祭』と書かれた、この辺りの自治体が執り行っている夏祭りの知らせだった。
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    さめしば

    DONE灼カバワンドロワンライ参加SS
    お題「山田駿」+90min ⚠️捏造要素あり
    205話のインタビュアー視点
    最果てのトロフィー ——誇れたのは一つだけ、とかカッコつけて言ってはみたけどさ。最年長プレイヤー目指して頑張ってたのなんか、この二年程度の話なんだよなあ、ホントのところ。あ、今のくだりオフレコね。せっかくつけた格好が崩れちまうからな。夢もへったくれもねえだろ。なに、今さらだって?
     んなことは置いといて。三年くらい前だったかな、こっちの馴染みの記者に声掛けられたんだよ。「最年長記録がいよいよ見えてきたな」ってさ、シーズン最終試合のあとに。「へえ、そんな記録があるのか」って、当時の俺の感想はこの程度のモンだったよ。考えてみりゃそういう類の記録くらいあるに決まってんのに、意識したこともなかった。最初はホント、その程度。そっからまた一年、プロの世界でなんとか生き延びて、いったい俺はこの暮らしをいつまで続けられんのかな、もーそろそろ終いかもな、とか考えてみた時にさ。最年長、目指してみてもいいんじゃねーかって素直に思えたんだ。その称号が特別欲しいってわけじゃなかったよ、でもきっと……俺が、俺個人が手にできるかもしれない最後のトロフィーって、「これ」なんじゃねーかって。気付いちまったんだよなあ。
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