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    BD

    辻紫しの

    DONEキバ練(キバレン,練レン)

    誕生日に偶然再会してしまうふたりの話。
    捏造設定がかなり多いのでなんでも許せる人向け。
    いつかキバとレンが再会できて、笑いあえますように。

    ※練牙区長ノベル、練牙BD(2024)カドストネタバレ
    ※キバが西園家の裏稼業(血なまぐさいこと)を全て引き受けているが故に、表に出て来れない設定
    ※キバの服装諸々捏造あり
    ※なんでも許せる方向け
    サイカイ(キバ練)「……変わってない、か。」

    路地裏にある、薄汚れた室外機の下。
    古びたクッキー缶を開ければ、「キバの太陽」の面が月明かりを浴びて鈍く輝いていた。

    ___今日は、『西園練牙』の誕生日。
    キバからのメッセージを貰って、もしかしたら今日この場所に来るのかも、なんて考えた。こっそり寮を抜け出して、あの時みたいに胸を高鳴らせて。逸る鼓動を押えながら薄暗い路地を覗けば、そこは静まり返っていた。

    ……ほんの、ほんの少しだけ、期待をしていた。今日なら、…今日こそ、キバに__練牙に、会えるかもしれないって。きゅ、と胸の奥底が痛んだ。

    自分の期待と寂しさを沈めるように、ゆっくりと缶を閉まっていく。……大丈夫、練牙はオレを、ずっと見ててくれる。きっと、いつかまた逢えるはず。
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    きゅう

    DONEミスルチWebオンリー 展示①
    「平凡で特別な贈り物を」
    ルチルに対する感情をいまいち自覚していないミスラが、誕生日に贈り物をする話。2部後、魔法舎軸です。
    ※涙の果てで紫花の微笑みを(イベスト)、2024ルチルBDカドスト、ルチルBDボイスのネタバレを含みます。
    平凡で特別な贈り物を 心底面倒な任務を仕方なくこなしてやり、魔法舎の広間へと空間を繋げた。大階段の側から無邪気な笑い声が聞こえてきて、振り返るとルチルがフィガロとミチルと談笑を広げている。
     その表情に、ちょうど目が止まったのだ。
     気の抜けたように笑う姿を見て、ああ、やっぱりしっくりくるな、と思った。
     
     先日、ミスラとルチルを含めた魔法使い8人で、大鴉を鎮めるまじないの儀式を取り行った。
     その際、終始思い悩むように眉を顰める表情がどうにも見慣れなかったのだ。
     ミスラの言動に立て付く勢いもなく、思い悩むように眉を引っ提げ、口を噤む。無事儀式を終えた後だって、ほっとしたような、泣き出してしまいそうな顔で笑うから、またよく分からなくなった。だったら直情的にバスケットで殴られる方がまだましに思えるくらい。それくらい不自然で、見慣れないものだった。
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