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    月刊歩行水銀

    PROGRESSrnis養子パロ その2です


    前回↓
    https://poipiku.com/8424944/11567626.html

    今回はrnとisgが喧嘩して、子供と家族になる話です。
    祝祭 #2「なあ、今日はどこで絵をかくつもりなんだ?」
    「また着いてくるの〜...?まぁ、良いけどさ。......今日は小川の近くで絵を描こうと思って」
    「小川か〜、小さい魚とか虫とかいるかな〜」
    「七月だし、多分結構いると思うよ。潔さんって、虫大丈夫だっけ」
    「昔は虫の羽音とかで泣いてたけど、今は大丈夫。ただちょっと見た目がきもいのはまだだめかなぁ......」
    「ふふ、子供っぽいね、潔さん」
    「そ、そんなことないからな?!もう十分良い大人だし......」

    いつの間にか時期はすっかり、緑でできた木漏れ日が二人が歩いている素肌を刺してくる日本特有の夏になっていた。紬と出会った時の春の暖かい陽気はいつの間にか形をひそめ、湿気が肌に張り付いてきて気持ち悪い。ドイツも七月は暑くなる日があるので慣れていると思っていたが、やはり体を動かすたびに日本特有の湿気と日差しには敵わなわそうもなくて、紬の冗談を嗜めるような声を熱波の中に震わせれば、紬は潔に向かって振り返ってニヤッと笑って逃げ出した。線を引くように、手で握りしめていた翡翠色のクレヨンと、その他のクレヨンが入った箱が揺れる音が響く。
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    再走(サイソウ)

    DONETL膝膝企画、三回目の開催おめでとうございます&ありがとうございます!
    前作(https://poipiku.com/4918557/11429448.html)の続き、「懸想している」と自覚した別本丸出身の二振り目と、彼の片思い相手に思い当る世話役の一振り目の話。
    終わらせるつもりだったのが続いてしまいました…。
    ※二振り目が薄緑と呼ばれています
    傾ぎ流れる 空調の風が規則的に首筋を撫でては遠のいていく。温湿度が管理された書庫で、薄緑は今日も何冊かの書物を紐解いていた。
     書庫のすみに設えられた机の上に、まるで塔のように積みあがっているのは、いずれも恋愛に関する本である。医学的なものから風俗的なものまで、とにかく恋愛について触れたものなら見境なく本棚から抜きだして、ただひたすらに読みふけった。すべてはあの日、「まるで相手に懸想しているようだ」と膝丸に言われた一言がきっかけだった。
     ――しかし、果てしない……。
     非番のたびにこうして書庫を訪れるようになって二週間ほど経つ。これまでに読んだ本の数は……端から数えてなどいなかったので不明だが、その感情の底知れなさを証明するように、いくら知識として身に着けても自分事として咀嚼できるかはまた別問題だった。
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