Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    JSP

    kei

    DONE霊木解体(2)
    前 : (https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=1425184&TD=4113548)
    季節は夏を迎えて日差しは強く、これまでにない形で子を孕んだジブリールは日々辛そうだったが、彼の世話をするという名目で、二人の生活する離れに自然と足を運ぶことができるのは行幸だった。
     セッカは医学博士であったし、ヴィトロは執政官で彼の上官になるので不自然さはない。慈悲王幽達の変化を見るには都合がよかった。
     ベッドに横たわるジブリールの傍ら、ちらりと向かいの幽達を見れば、空気のような従者と共に静かに番を見つめていた。
    「倒れた際に、すぐ抱えたから外傷はない」
     いつでもこの男は涼しげな眼差しをしていて、為政者の性質はどこかヴィトロの養父に似ている。銀色の髪は、花守山の民が生来もつ銀髪といえるだろうが、少し鈍い沈んだ色をしていて、隣にいる従者も同じだった。感情の猛りのない落ち着いた色彩の銀髪は幽達の持つ印象そのままだ。
    「倒れたのも季節的なものと、体力低下だろう。ちゃんと食わせろよ」
    「必要なものがあれば、取り寄せよう。熠燿はアシュタルの出だ。祖国の食べ物が口に合うと思うが」
    「柘榴とか西洋李とかがいいと思うぞ」
     セッカがジブリールの額に冷えた布を充てがうと、幽達は進んで仕事を引き継い 6404

    遭難者

    MOURNING絶対音感藍忘機の魏無羨と思追の後日会話です。超短いですが、入らなかったのでこちらに…
    ちなみに…
    本編https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=1700635&TD=3716900終わりの藍湛の妙な音は、ぎゅってしたら鳩尾に入ったためです。(こんなところで何を‥‥)
    姑蘇、某山にて・・・・



    藍思追:「魏先輩!この前の夜、含光君と合奏されていました?」

    魏無羨:「え‥‥き、聴こえてたのか?」

    藍思追:「はい!何だか不思議な曲でしたが、何の曲ですか?」


    何食わぬ純真な顔でこちらを見てくる。ということは、その後の『音』は聴こえていないはずだろう、たぶん。


    魏無羨:「あれは‥‥あー藍湛が異国の譜面を見つけたから、遊びでひいてみたんだ。」

    藍思追:「そうだったんですか、≪清心音≫みたいなところもあったと思ったんですけど、異国にも似たような音楽があるんですね。」


    思追はなかなか鋭い。≪問霊≫を伝授されているということは、藍湛、澤蕪君、さらにはあの藍啓仁の鉄壁を超えて、認められているということだ。剣技といい、あなどれないやつだ。


    魏無羨:「どう感じた?」

    藍思追:「え?」

    魏無羨:「あの曲を聴いて、お前はどんな風に思った?」


    ≪清心音≫が混ざってはいるが、あの曲を俺や藍湛以外が聴いたらいったいどう感じるのか興味があった。


    藍思追:「ん~~~そうですねぇ‥‥こう、ほわっとする、というか」

    魏無羨:「は?」

    藍思追:「う~ 819