その色は約束の空と同じで「はじめまして、フォリオ、我が朋友の娘」
光の中で冬清王は、はじめてセッカの娘であるフォリオの形を認識した。
霊木空間とセッカが称した霊脈だまり、霊木の中心点に存在するようになってからの冬清王は、地上の存在こと霊的素養のないその他大勢の人間をひとりひとり認識することはできなかった。
下手に認識して注視などしたら霊木の力が摂理に反してその個体に影響をしてしまう。
一時的には喜ばしいことかもしれないが、霊木に親密に関わる者はすべからく不幸になる。
大きすぎる力は素養のあるもの以外が扱うべきものではない。そういうフィルターが冬清王に備わっていたが、フォリオという小さな魂を汚染した以前の霊木の人格はそうではなかったようだ。
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