Recent Search

    遭難者

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 30

    遭難者

    MOURNING玉蘭と木蓮のはなし
    玉蘭はハクモクレンを指すみたいですが…薄目でお願いします 焦
    「藍湛、知ってたか?玉蘭は東贏で木蓮と呼ばれているそうだ。昔、師姐に教えてもらったんだ。」


    まだ寒さが残る季節。相変わらず美味い天子笑を飲みながら、ほころび始めた白い花弁を見上げる。




    『──阿羨、玉蘭のことを東贏では木蓮というらしいの。』




    そう教えてくれた師姐を思い出す。
    あれは、雲深不知処の座学に参加する少しまえだっただろうか。花の名前をひとつ知ったことで何故そんなに嬉しいのか当時は不思議だったが、あまりにも嬉しそうに笑う師姐見ているとこちらも幸せな気分になったのを覚えている。
    今ならあの時の師姐の気持ちが少しわかる気がする。


    『──違う花なのに、同じ木に使われるなんて不思議ね。』


    「蘭」陵と「蓮」花塢の二つの違う花の名を持つ木がある。まるで両家を繋ぐように感じたのだろうか。普段なら気にならない些細なことに、何やら運命のような縁を感じて嬉しく思ったのだろう。
    いつも優しく俺達を包んでいてくれたけれど、師姐だって幼い少女だったのだ。あの時の師姐は恋をしていたのだと、今ならわかる。


    「木に咲く蓮とは何だか妙だけど、雲深不知処で蓮を見られるとは思ってなかった 1893

    遭難者

    MOURNING思追と景儀が含光君の癖を見つけちゃった話。黒い衣に身を包み、長い髪を深紅で結い上げている青年の唇に白い装束から伸びる美しい白皙の指が近付く。伸ばされた指の背はそっと上唇に触れ、しばらくすると頬を滑り今度は指の腹で首筋に触れる。黒い衣の青年は眠ったままだ。おそらく、本当に優しく優しく触れているのだろう‥‥




    ーーーー含光君!!またですか!?





    含光君には癖がある。正確には癖が出来たと言うべきか。
    今日もまた僕達の前で披露されているあの癖、魏先輩の唇から首筋に指を滑らせるその癖の動きは余りにも甘くて、その場から逃げ出したくなる。というより、その場に居てはいけない気になる。

    お二人の仲は周知の事実であるし、色々あったであろうからこそ仲睦まじく幸せに暮らしてほしいと思う。思っているけれど、含光君の中衣を魏先輩が間違って着ていたり、たまにふと覗くあの…紅黒い跡と、歯形のような跡といい、さすがに見ているこちらが恥ずかしくなってしまうことが最近多すぎやしないだろうか。



    「思追、景儀、先に休む。」


    「「はい。含光君。」」


    今回の夜狩はすぐに終わる予定だったけれど、思いのほか時間が掛かってしまった。
    姑蘇からはそう 3001

    遭難者

    MOURNING絶対音感藍忘機の魏無羨と思追の後日会話です。超短いですが、入らなかったのでこちらに…
    ちなみに…
    本編https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=1700635&TD=3716900終わりの藍湛の妙な音は、ぎゅってしたら鳩尾に入ったためです。(こんなところで何を‥‥)
    姑蘇、某山にて・・・・



    藍思追:「魏先輩!この前の夜、含光君と合奏されていました?」

    魏無羨:「え‥‥き、聴こえてたのか?」

    藍思追:「はい!何だか不思議な曲でしたが、何の曲ですか?」


    何食わぬ純真な顔でこちらを見てくる。ということは、その後の『音』は聴こえていないはずだろう、たぶん。


    魏無羨:「あれは‥‥あー藍湛が異国の譜面を見つけたから、遊びでひいてみたんだ。」

    藍思追:「そうだったんですか、≪清心音≫みたいなところもあったと思ったんですけど、異国にも似たような音楽があるんですね。」


    思追はなかなか鋭い。≪問霊≫を伝授されているということは、藍湛、澤蕪君、さらにはあの藍啓仁の鉄壁を超えて、認められているということだ。剣技といい、あなどれないやつだ。


    魏無羨:「どう感じた?」

    藍思追:「え?」

    魏無羨:「あの曲を聴いて、お前はどんな風に思った?」


    ≪清心音≫が混ざってはいるが、あの曲を俺や藍湛以外が聴いたらいったいどう感じるのか興味があった。


    藍思追:「ん~~~そうですねぇ‥‥こう、ほわっとする、というか」

    魏無羨:「は?」

    藍思追:「う~ 819

    遭難者

    MOURNING風呂桶川柳(←違います)をきっかけに‥‥
    四文字の方は成語風を装って店にしてみた(笑)
    「お、はぶりがいいね~姑蘇桶店だね~!」

    「あら~素敵なお兄さん、姑蘇桶店ね~。こんなにたくさん買ってくれて~。」

    「ぃよっ!!姑蘇桶店!!女将~!ここのお客さん酒を五甕追加だよ~!!」


                 ************


    魏無羨、藍思追と買い出し中。


    魏無羨:「さっきから買い物してると『姑蘇桶店』『姑蘇桶店』って、なぁ思追‥‥『姑蘇桶店』ってなんだ?」

    藍思追:「え、魏先輩、知らないんですか?」

    魏無羨:「?」

    藍思追:「最近、巷で流行っている言葉ですよ、思いがけないくらいの量を買ってくれる羽振りのいいお客さんのことを『姑蘇桶店』って言うんです。」

    魏無羨:「それはだいたい予想がついてるんだけど、なんでそれが『姑蘇桶店』なんだ?」

    藍思追:「それは‥‥姑蘇で桶屋さんが儲かっているからですよ。」

    魏無羨:「なんで姑蘇の桶屋が?」

    藍思追:「え、魏先輩‥‥それ本気で言ってます?」

    魏無羨:「ただの桶屋だろ?何がそんなに儲かることがある?」

    藍思追:「‥‥‥魏先輩。姑蘇の桶屋さん‥‥風呂桶屋さんのお得意様は含光君です。」

    魏無羨:「‥‥。 1611

    遭難者

    MOURNING前に書いたやつを手直ししてアップ。しかし手直しになっていない(笑)
    半年以上の自動翻訳との葛藤により、自動翻訳風文章から抜け出せないでいます。
    日ラジドラのテーマソング聞いて妄想したやつです。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーー

     窓から入る風が心地よい。

     日が沈むにつれ冷たくなっていく空気は、少し体温の上がった体に最適だ。
     「まさか、こんなことになるとはな……」と考えながら、魏無羨は今日もまた天子笑を口にしていた。

     雲深不知処に二人で戻って来て以来、静室で酒を飲むのは当たり前のこととなっている。
     道侶となったことも驚きだが、あの藍忘機がここで酒を飲むのを黙認しているとは、それどころか時には自ら運んでくるようになるなんて…あの頃の誰が想像出来るだろう。

     天子笑の酒壺を見ながら「ぷっ」と吹き出した魏無羨を藍忘機は不思議そうに見た。

     「…?」

     「いや、この酒とは本当に縁が深いと思ってさ。藍湛と初めて会った時も、俺こっそり天子笑を持ち込もうとしてたなぁ~って。」

     「…こっそりしていたか?」

     「してた!それなのにわざわざ見つけ出してあんなに怒るとは…あー、でも必死に怒ってた藍湛は可愛かったなぁ~」


     当時、徹底して規則を守る藍忘機と奔放な魏無羨とは幾度となく対立し、剣まで持ち出すこともあった。共犯に仕立て上げようした時ですら自身が尺で打たれようと 4365

    遭難者

    MOURNINGネタバレです、暴走した妄想です!
    以前、魏無羨なんで魂壊れなかったの?って不思議から妄想。
    テキストも上げられるんだ!ということでベッタにあった初文章を
    藍湛誕生日に…内容関係ないけれど!!
    ーーーーーーー

     不可解なことがあった。

     何故、自分の魂はここにあるのか。


     自分が死んだ時、その時のことはあまり覚えてはいない。残っているのは魘されても醒めることなく泥沼でもがいているような嫌な感覚だけだ。
     反噬により肉体がなくなったとしても、魂はどうして今まで持ちこたえていたのか…

     鬼道で纏った陰湿な怨気が動力となり魂を存続させていたのだとしたら、恐らく大暴走しているはずだが、巷に流れる夷陵老祖が起こした事件はあまりにも小さい。…まったく、開祖に失礼なほど小さい。とすると…外に放出されていない怨気は内に籠り、魂を蝕んでいた可能性が高い。

     あの時、甦らせたい人はたくさん居たけれど、自分が今生に戻りたいは思ってはいなかったと思う。来世に生まれ変わりたいとも考えてはいなかっただろう。
     残してきた温家の人々のことさえ頭になかった。
     自分が招いたことではあるが…いや、自分が招いたことだと思いたくなかったから更に意識を狂わせていった。
    …金丹は長いこと無く、霊力は存在すらしない。

     魂は蝕まれ、この世に留まる気は一切なく、精神は傷付き、微々たる霊力すらない。

     魂は 1306