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    Lia

    kino_akira_fu

    PROGRESSさめししです。
    恋を知らない獅子神さんに、愛を教える村雨さんのお話。
    時間軸は明確に定まって無いのですが、オバキルからLiA間くらいのイメージで書いてます。今の所……!!

    獅子神さんがモブ(男)と付き合っていた描写があります。
    言葉を尽くす また上手くいかなった。去り行く背中をただ見つめる。何が悪かったか、いつだってわからないまま終わる。強請られたものをプレゼントした。気持ちを告げた。共に時を過ごした。夜だって、幾度も。紡いだ言葉も、紡がれた言葉も甘やかだったはずなのに。あれが、――ではなかったのだろうか。少なくとも、俺は与えていたつもりだった。けれど、きっと、違かったのだ。息苦しくて、鳩尾が痛くて、この場に蹲りたい。別れを告げられこんなにも苦しいというのに。俺が与えていたものは、別の何かだったのだ。
     子供の頃にやった砂場での遊びを思い出す。形はあるはずなのに、決して手には収まらない無数の砂。小さな粒は汗ばんだ手のひらにこびりつくのに、定まった形がなくて決して手に入らない。それでも頑張って、固めて、固めて。綺麗な丸ができて、見て、と渡したら叩き潰された。一瞬で壊れる脆い団子。あの時の俺は何を求めていたのか。ただ、受け取ってもらえるだけでよかったのかもしれない。
    10049

    胡白(こはく)

    DONEさめしし/LiA後のさめししがハワイに行く話 
    さめ→ししです
    【#2023しょくさい  書き下ろし】

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    Longing for Hawaii「獅子神さん、お仕事中にすみません!お客様がいらっしゃってますが……」
     仕事部屋の扉をノックした園田の声が聞こえる。来客の予定などなかった獅子神は、仕事部屋のパソコンに目を向けながら「来客?誰だ?」と声を返す。すると間髪入れずに扉がガチャと空き、見慣れた黒髪の男が立っていた。
    「私だが」
    ……園田が扉の脇で慌てている。おそらくインターホンを押し、獅子神と用事があるなどと噓を吐き、玄関を開けた瞬間に勝手に中に入ってきてこの有様なのだろう。もうこの男の横暴ぶりにも嫌でも慣れたものだった。
    「ったく、来るなら連絡くらい寄こせよ、村雨……それで、今日は何のご用事で?」
    「往診だ。ありがたく思え」
     とんだ押し売りな医者が居たものだと呆れかえるが、かの有名な黒ずくめの無免許医のように法外な治療費は請求されないだろう。今取り掛かっている作業を終えてから行くので、リビングで待っていてもらうように彼に伝えた。
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