水底の明晰夢、を今俺は見ている。
どうしてだかわからないけれど、これは今自分が見ている夢なのだとはっきり自覚できていた。
前後の脈絡が無かったからというのも、あるかもしれない。
俺の目の前には水たまりがある。
場所はどこか、学校の野球部が使うような砂のグラウンドだ。
砂の上に、夕立でも振ったのか水たまりが出来ている。
何故か底が見えないくらい濁った水たまりは、雲間から差し込む光を反射して表面だけはクリスタルのようにキラキラと光っていた。
綺麗だとは、あまり思えない。
何かが、中に居るような気配がすると感じ、水たまりの淵に膝をついて、そっと中に手を差し込んでみた。
思ったより深い。
手首から、肘の手前くらいまでが水の中に入っていく。

【もちもち】筑巢今天椎名请假了，虽然说这家伙的重心本来就不在学校，为了除灵之类的事情请假也是很常见的事情。
剑持望着窗外，有些焦虑地转了转手中的圆珠笔，经历了一冬而呈现出灰棕色的枝桠努力地探到窗边，在回暖却依旧寒冷的风中颤巍巍地挤出了一朵浅粉色的花苞，他晃了晃神，随后低下头来咬着嘴唇盯住课本上的文字，思绪远远地飘飞了出去。
最近教室里的信息素味道非常混乱，十六七岁的高中生们大多数都已经开始了分化，一部分甚至已经开始迎接人生中第一次的发情期，因此请假的学生不在少数，教室里只剩下了分化成Beta或者是一些特殊情况的孩子。
“剑持さん，今天的社团活动取消了。”
放学后正在收拾书包的剑持听到教室门前呼唤自己的声音，抬起头便听到社团的前辈对自己这么说道。

逃げ水の君見上げた空のちょうど真上から、太陽が容赦なく脳天を焦がしに来る。
念のためと思ってコンビニで購入したフローズンドリンクはすっかり溶けてしまった。
田舎の、畑を分断する直線道路が珍しいからと言って、好奇心でバスを降りてはいけないと、茹だる脳内では後悔がしたり顔で腕組みをしている。
うるせぇわかってんだよ黙ってろと自分の脳内で自分が生み出したイメージ画像に悪態をつくと、宇佐美リトは日除けよりもファッション性重視で被っていた帽子を、なるべく目深に被りなおした。
日差しも強いが、足元から立ち上る熱気も加わり、そこに居るだけでじわじわと体力が削られていく。
次のバス停まで歩こう。
都市部の道端に有る、土台にポールだけが設置されたバス停と違い、この辺のバス停はポールのすぐそばに休憩所のような小屋が併設されていることが多い。

影鰐決して忘れてはいけない後悔が有る。
あれは月が綺麗な夜だった。



宇佐美リトはその日、港湾付近でヒーローとしての任務にあたっていた。
コンテナ船の積み荷に、KOAZAKA-Cがびっくり箱を混ぜて、積み荷を降ろす業者を驚かせているらしい。
業者がびっくり箱に驚いて手を滑らせて怪我をしないように、積み荷が破損しないように、びっくり箱を探して見つけて回収する。単純かつ時間勝負の任務である。
コンテナが積み上げられて迷路のようになったエリアの中を駆け回り、全部に入っているわけでは無いがそれでも何人ものヒーロー達が協力しないと一晩では終わらないであろう量のびっくり箱を発見し、そして真夜中近くにようやく全部のコンテナのチェックを完了した。

拝啓、泥濘の淵より簡素な鍵だった。
手描きの住所が記された楕円形のプレートが、細い針金で括りつけられた、ごくごく普通のサムターン錠。
きっと普段は、不動産屋の事務所の一角に、同じような鍵と一緒に並べられて壁につるされているか、引き出しに詰められているのだろう。
何となくそんな光景を思い浮かべてしまう程、ありふれた鍵だった。
指先でつまんだその鍵で、目の前の扉を開けて、強化ガラスの嵌め込まれた格子戸をスライドさせる。
空気が動いて、湿っぽさと埃っぽさとカビ臭さが混ざったような匂いが鼻をつく。
玄関を開けた先は昼間にもかかわらず薄暗い。
まず第一に、窓を解放して、空気を入れ替えたいなと思った。
「えー……」
用意していた撮影用のデジカメの電源を入れる。