fallout
春日むにん
MOURNING拙作『コズワースの相談事』(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14026403)の着想を得た時に書いたメモです。大まかな流れは変わらないのですが、作品の方は主人公の変態具合が極まってしまったので、普通に微笑ましかったバージョンを供養します。 1990_m_2da
DONEベケットとresidentの出会い編。古のオタク風に言うなら原作沿いです。Narrow Escape 薬に嫌気が差して、享楽の為に行われる殺しに嫌気が差して、そしてそいつらに言いなりになってる自分にほとほと嫌気が差して、ベケットはただその場から逃げ出した。アパラチアにブラッドイーグルスから逃げられる場所なんてないぞ、と頭の片隅にわずかに残っていた理性が嘲笑する。アパラチアから出ればいい─出られっこない、第一弟を置いて行くのか?─フランキーも連れて行く─ファウンデーションに行くのか?ここぞとばかりに奴らはファウンデーションを攻撃するだろうな。
「それはダメだ」
彼らはレイダーのように自分のように奪うのではなく、自分達で作り上げた場所を持っている。フランキーとまだ見ぬ彼の配偶者のイメージをして足が止まる。体が止まる。無性に喉が乾く。薬が抜けきってないのか?水が入った手持ちのバックパックは道中で奪われてしまった。ずっと犬の吠える声が聞こえるのは幻聴なのかそうでないのか判断がつかなかった。そこかしこに噴出している黒煙が一層濃くなって、肺が重くなり、方向感覚も鈍ってここがどこだか分からなくなってるうちに、ベケットは倒れた。
7281「それはダメだ」
彼らはレイダーのように自分のように奪うのではなく、自分達で作り上げた場所を持っている。フランキーとまだ見ぬ彼の配偶者のイメージをして足が止まる。体が止まる。無性に喉が乾く。薬が抜けきってないのか?水が入った手持ちのバックパックは道中で奪われてしまった。ずっと犬の吠える声が聞こえるのは幻聴なのかそうでないのか判断がつかなかった。そこかしこに噴出している黒煙が一層濃くなって、肺が重くなり、方向感覚も鈍ってここがどこだか分からなくなってるうちに、ベケットは倒れた。
_m_2da
DONEresidentとベケットの話を書こうとしたらサミュエルくんがひたすら良い子の話になってしまった。今度は2人で ファウンデーションに入った瞬間、空気が変わった気がした。
挨拶をすれば返してくれるが目を合わしてくれない、ような。世間話をしようとすれば話そこそこで切り上げられる、ような。小さな違和感が降り積もり首を傾げた。
「ベケット。君が来るのは珍しいな」
なぁ、と呼びかけられて立ち止まる。ベケットに気が付いた住人の一人が軽く手を上げて招いた。Vaultーtecと書かれたTシャツを纏いラフな格好をしているのはサミュエル。彼は普段と少し違うファウンデーションの空気に臆することなく話しかける。ベケットは少しほっとして体を向き合わせた。
「ああ、酒の在庫が乏しくなってきたんで補充しにな。なぁ、ちょっと聞きたいんだが」
4282挨拶をすれば返してくれるが目を合わしてくれない、ような。世間話をしようとすれば話そこそこで切り上げられる、ような。小さな違和感が降り積もり首を傾げた。
「ベケット。君が来るのは珍しいな」
なぁ、と呼びかけられて立ち止まる。ベケットに気が付いた住人の一人が軽く手を上げて招いた。Vaultーtecと書かれたTシャツを纏いラフな格好をしているのはサミュエル。彼は普段と少し違うファウンデーションの空気に臆することなく話しかける。ベケットは少しほっとして体を向き合わせた。
「ああ、酒の在庫が乏しくなってきたんで補充しにな。なぁ、ちょっと聞きたいんだが」