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    kazuya

    fmt

    DONE真田武志と真田徹郎と西城KAZUYAの話。
    譲が高校生くらいの時間軸。
    K's 夜半であった。G県I町H山。N県から車で2時間ほどの場所に位置する。根無し草であり、ハマー一台で国内はもとより海外にもすっ飛んでいく男がいる。だがここ数年、ややあってN県の繁華街のタワマンをヤサにしている男――ドクターTETSUには、G県もN県も海がなく、なんとなく閉ざされた世界のように感じてならない。走っても走っても山並みばかりで木、林、森が延々と続いている。海のない場所は窮屈に感じる。崖っぷちから望むあの日の日本海に思いを馳せる。過去などとうの昔に忘れていたというのに、存外覚えているものであった。

     そんなドクターTETSUが何故隣県まで飛び込んでいったというと、闇医者として上客であった「訳アリの金持ち」のバカな子供が親の金で買ったマニュアルのシルビアで峠の下りをバカみたいなスピードで走り、バカなので減速の制御もできないままガードレールに突っ込んでさらに谷に転がったという。免許を取ったばかりとも聞いた。ご丁寧に貼られていた初心者マークのほかにも、車体にロールバーが入っていたため、車は全損だったがTETSUの迅速な処置もあり手足の骨折程度で済んだ(TETSUの見立てだと全治2~3ヶ月はかかるという)が、表沙汰にしたくないがために呼ばれたのであった。
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    ロバ耳

    MOURNING死んだ譲介があの世でKAZUYAに会う話

    !譲介がTETSUより先に死んでます。
    !KAZUYAさんがめちゃくちゃ出てきますが喋りません。
    この2点を筆頭に全体的に注意です。何でも許せる人向け。
    こんなん書いちゃっていいのか……?と何度も迷ったのですが、マァ私が読みたいんだからしょうがねーなと思い書くことにしました。
    さよなら大怪獣 やってしまった!

     譲介は頭を抱えていた。やってしまった、とんだ大失敗だ。もっと慎重であるべきだったのに。
     アメリカは銃社会だということは言われるまでもなく知っていた。格差があり治安の悪い地域もあり、アジア人への差別も決して少なくないと覚悟していた。財団の方からも度々注意するよういい含められていたのだ。学校や病院にほど近い住居を与えられ、どのエリアに立ち入らない方がいいかもしっかり説明を受けていた。譲介はKから託された大切な客人として、そして一人の学生として、たくさんの人から守られていた。だから自分でも、己の身をもっとしっかり守らなければならなかった。
     けれど。
     我慢できなかったのだ。いつものスーパーマーケットから帰る途中、真昼の往来で突如鳴り響いた発砲音。比較的治安のいい地域のはずだった。数年暮らして来て今までこんなこと一度もなかった。一瞬で頭が真っ白になって、それでもなんとか姿勢を低くして身を守ろうとした時、崩れるように倒れた女性の側で呆然と立ち尽くす少女の姿が目に入ったのだ。それでもうダメだった。助けることしか考えられなくなってしまった。無我夢中で飛び出して、被さるようにして少女を床に屈ませ、倒れている女性の脈を測ろうとした。
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