失恋二人　結局、文次郎らしくない制服姿は一日で終えることにした。次の登校からは胸元までボタンを留め、スカートは膝丈と元の着こなしに戻すつもりだ。
　ブラウスとプリーツスカートだけのシンプルな夏服では、ウエストで巻いたり引き上げてベルトで締めて丈を短く見せることができない。裁断するしかないのだが、校章が裾に刺繍されているので服装検査で見つかれば違反になってしまう。安くはない制服だ。一度切ってしまえば元に戻せない。
　あのひどく短い丈のスカートは、入学が決まったとき近所の卒業生にお下がりで貰ったものだ。履くことはないだろう、と箪笥の肥やしになっていたのだが活用することができた。
　制服も留三郎との関係も元通りといえよう。

Butterfly brother章: 1
夜、蟲柱の胡蝶しのぶが任務から戻る途中、15歳未満ではなく11歳未満でもない少年に出会った。彼女は少年に近づき、右腕しかなく左腕がないので大丈夫かと尋ねた。彼は抵抗しておらず、腕がないという事実を考慮しても大丈夫そうに見えた。蝶の女が少年に近づき、「こんにちは、少年、こんなに遅くに何をしているの？夜になると悪魔のせいで人が消えるって知ってる？」と尋ねた。少年は背の低い蝶の女にはまったく注意を払わず、歩き続けた。「ああ、それなら大変な方法でこれをやらなければならないようだ」と彼女は独り言を言った。するとしのぶが彼の後ろから近づき、安全なクロロホルムをたっぷり含んだ布を置き、その後、蝶の屋敷に少年を運び戻した。