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    ユーフォ

    🥗/swr

    DONE2020/03/15 過去作投稿
    『彼は誰のユーフォリア』収録
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    本編エンディング後から一年後、楽園の未踏区域の調査を任命されたメレフがカグツチととある洞穴に足を踏み入れる話です。
    ※巨神獣とブレイドに関する強い捏造・自己解釈を含みます。
    ※レックス他本編内のパーティメンバー、ユーゴ、ワダツミが出ます。
    彼は誰のユーフォリア白と黒の煙が舞う機械の街の中を、女は一人歩いていた。
    砂混じりの風がひゅうと吹いて、彼女の黒髪をなびかせた。見覚えのある街は賑わっていた。硬い石畳の広場では子供たちが楽しげにはしゃぎ回っていて、その向こうには堅牢な要塞としての機能を備えた巨大な皇宮が鎮座している。
    彼女はそれを見上げ、違和感を覚えた。壁面は日の光を浴びて反射している。皇宮へと続く橋の柵は真新しい。よく見れば今まさに歩いている地面の石畳もより綺麗に敷かれている。構えられている砲台も彼女の目に見慣れぬ姿をしていたが、その様相からそれらは彼女が知っているよりずっと高度な技術で生み出されたものだと推測できた。
    砂塵に打たれ至る所で錆や傷を見せている、それが彼女にとっての見慣れた風景だ。記憶と違うその景色をただ呆然と眺めていると、遊んでいた子供の一人が目の前に飛び出してきた。ぶつかると判断し身を逸らそうとしたが避けきれず、だが子供は彼女の体に衝突することなくするりとすり抜けてそのまま走り去ってしまった。
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    pothi_pothi03

    DONEユーフォリア

    友達が「監督生のマブダチ」から派生小説を書いてくれた。幸です。
    見えるはずのない涙が見えた気がして、溶けて気泡と一緒に弾けて月の光に溶けていくのが見えた。
















    海は嫌いだ。月が出ている日なんて特に。




    少し前に恋人がいた。海が好きで、淡い桜色の髪をした可愛い可愛い恋人だった。




    海辺で付き合ってください、と告白をした。
    彼女を目の前にしたら頭が真っ白になってしまった僕は前日に用意してきた言葉もそっちのけできっと大層情けない顔をしていたと思う。それでも、彼女はそんな僕を見て花が咲くように可憐に笑って頷いてくれたことを昨日のように今でも思い出すことがある。それもまた過去の話ではあるけれど。





    今思えば浮き足立っていた。
    それはそうだ、初めて告白した相手と付き合えることになったのだから。初めてのデートは色とりどりの花が咲いている海の見える公園だった。
    緊張して、どうしたらいいかわからず親しい先輩に相談して服装だのメイクだの、あれやこれやと面倒を見てもらったおかげで大成功した。選んでもらった服装もしてもらったメイクもかわいい、かわいい、と彼女が頬を染めて褒めてくれたので、あまりにも嬉しくて初めて手を伸ばして彼 4474