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    クリーチャー

    zeppei27

    PROGRESS鍵と錠の六話目冒頭だよ!
    せっかく距離が近くなったのに、またお仕事で離れてしまったクリーチャーが、何やら悶々とこれまでを振り返っているところです。
    鍵と錠 #6 小難しい理論だと思われがちな話も、案外簡単に飲み込めることがある。例えばかの有名な相対性理論は、門外漢には到底理解できないと敬遠する人間は多い。しかし、『素敵な女性と並んで座って過ごす2時間は1分のように感じられるかもしれないが、熱いストーブの上に座った1分間は2時間過ごしたかのように感じられるだろう。それが相対性というものだ』と日常的な言葉で説明されたらば、やや気持ちは和らぐ可能性が高い。要するに、遠い出来事も身近になれば多少はわかった気になりうるのだ。

     クリーチャー・ピアソンは、ルカ・バルサーにこの説明で相対性理論を解説されてもまるで理解できなかった朴念仁である。なんでもアインシュタイン自身が語った言葉らしいが、アインシュタインが誰だと言うのだろう?自分の人生にはまるで関係あるまい――そう思っていたのだが、今となってはクリーチャーは誰よりも相対性なるものを深く理解していた。確かに、時間の重みとでも言うべきものは対象によって随分と変わる。
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