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    菊池

    pagupagu14

    DONE菊池忠は頑張れない/愛忠
    ロフトの書下ろしイラストネタ。題名の通りです。
    愛忠ですが色恋描写はさほどないです
    菊池忠は頑張れない 愛忠
     他の者に比べると動きにくい衣装。それだけでも他の者と比べると大きなハンデになるというのに、神道愛之介の秘書である自分にはそれは許されない。無様な姿は特に。
    そう、肝に銘じていた――そのはず、なのに――
    頭が重く、よたよたと歩いてしまい。視界も明瞭ではなかった。そのせいだろうか。きっとそのせいにしたい。動きにくい足元、ぶかぶかとした足元の衣服を踏んずけ、無様に転んでしまった。
    ズベッ、ドシャァ
    そんな音を立て、私は空を見上げる。
    穴があるのなら入りたかったし、今ここに拳銃などあれば自害したかった。それほどの羞恥に私は包まれていた。
    「ククッ……ハハッ……無様な姿だなぁ?忠ィ」
    仮面を外し口角を上げた愛之介様はそう言って笑う。
    「ええ…無様です、滑稽です…笑ってください…でないと無様すぎて生きていく価値さえ見いだせなくなる……フフフ」
    「た、忠…?」
    私の弱った様子に珍しく、愛之介様は動揺していた。見上げた愛之介様はやはり美しい、孔雀だというのもその美しさの表明のようで誇らしく思うほど。
    『愛抱夢』の時には隠れている柘榴色の瞳がゆらゆらと困惑げに揺れていた。群青 1506

    pagupagu14

    DONE菊池忠の憂鬱
    愛忠前提の高校三年忠と中学一年愛之介(五歳差想定)の忠の憂鬱な学校生活の話。
    忠がモブ女に告白されたり、既に愛之介の犬である自覚あったりします
    菊池忠の憂鬱
     学校は退屈極まりなかった。
    愛之介様がこの場所にはいない。それだけでひどく空虚でぽっかりとした気になる理由を私は知っていた。勉強をしているときは、愛之介様のことを考えて勉学に励むときは、知識をつけるときは楽しい。けれど以前は一介の使用人の息子である私がずっと愛之介様側にいる方法なんて見つけられず勉学にも身が入らなかったのだが以前、愛一郎様が私に『もし愛之介の傍にいたいと願うのならば歩みを止めないことだ』とおっしゃってくれた。
    それは、それは――もしかしたら、と淡い期待を寄せてしまうには十分の言葉で今では私のとって学校というのは愛之介様がいない空虚な場所には変わりないが、愛之介様の側にいるための学び舎という風に認識が変えられていた。
     放課後、とてもとても今日は面倒なことがあった。それを無視すればいいはずなのにそうして起こるであろう弊害と天秤に乗せた結果私は、その一方的に結ばせられた約束の場へと向かう。そこには一人の女子生徒が立っていた。恥ずかしそうに顔を俯かせながら。
    (誰…だっただろうか)
    恐らく同学年なのだろう。
    けれどずっと愛之介様のことを考えて学校生活を過ごして 1477