甘めのプリンと紙袋 日付が変わりそうな時間帯に、ベッドの上で仰向けに寝転がっていた暦が、スマートフォンの通知音で跳ね起きる。
急いでロックを解除してメッセージを確認すると、友人であるランガから誕生日を祝う言葉が送られてきており、そこで暦は日付が変わったことを知った。
普段であれば寝てしまうであろう友人が、一番に誕生日を祝ってくれるという約束を守ってくれた嬉しさと、自分が待ち望んでいた相手とは違った落胆とが入り混じった暦はそれを打ち消すように小さく咳払いをすると、ランガへの返信を打ち込み始める。
その間にもクラスメイトやSで知り合った友人から数件メッセージが送られてきたが、その中にも彼の名前はなく、今日の主役らしからぬため息が暦の口から漏れた。
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