空蝉
Layla_utsusemi
PAST一次創作【空蝉日記】のショートストーリー。初めて主人公が……喋っ、た…………。【空蝉日記 短編】下知された虚ろな愛憐他の新聞部員達との会議を終え、次週取り扱う記事の方向性を定め終えた私は、学校を後にするその前に一年の教室へと足を運んだ。
私は目立つのか相変わらず周囲の後輩達からの目線が絶えないが、"彼"が居る教室の中は無人で、静かだった。それ程までに彼は避けられているのだろう。そしてそんな彼に自ら会いに来ている私も変わり者だ。
「こんにちは、涼也。」
私の挨拶に彼は反応を示さない。いつもの事だ。
「今日もメモ帳、見させてもらうわよ。」
特に返答を待たずに、私は彼の鞄を勝手に漁ると一つのメモ帳を取り出した。これもいつもの事。
彼──茜見 涼也は、感情という感情を全て取り除いた……言うなれば、臓器があるマネキンのような子。
1016私は目立つのか相変わらず周囲の後輩達からの目線が絶えないが、"彼"が居る教室の中は無人で、静かだった。それ程までに彼は避けられているのだろう。そしてそんな彼に自ら会いに来ている私も変わり者だ。
「こんにちは、涼也。」
私の挨拶に彼は反応を示さない。いつもの事だ。
「今日もメモ帳、見させてもらうわよ。」
特に返答を待たずに、私は彼の鞄を勝手に漁ると一つのメモ帳を取り出した。これもいつもの事。
彼──茜見 涼也は、感情という感情を全て取り除いた……言うなれば、臓器があるマネキンのような子。
Layla_utsusemi
PAST一次創作【空蝉日記】のショートストーリー。久しぶりに短めで書きました。【空蝉日記 短編】Hohe Liebe.〜♪ 〜♪ 〜♪
(……ん?誰か音楽室にいるのかな?)
放課後、部室へ向かう道中で僕の耳に聴こえてきたのは、優しく響き渡るピアノの音色だった。この音使いには、聞き覚えがある。
もしかしたら彼女が居るのだろうかと、覗き込むようにして音楽室の中の様子を伺うと……やはりそこには見知った姿があった。
「素敵な演奏だったよ。」
僕が軽く拍手で称えながらそう言葉をかけると、先程までピアノの鍵盤を打ち鳴らすことに集中しきっていた彼女はようやく僕の存在に気が付いた。
「あっ、光葉〜!これから部活〜?」
「ああ、たまたま通りがかったらティアナの演奏が聴こえてきたから。」
部活まではまだ時間がある。もう少し彼女と……彼女の演奏を聴きたかった僕は、凭れるようにそっとピアノに腰掛け、口を開いた。
726(……ん?誰か音楽室にいるのかな?)
放課後、部室へ向かう道中で僕の耳に聴こえてきたのは、優しく響き渡るピアノの音色だった。この音使いには、聞き覚えがある。
もしかしたら彼女が居るのだろうかと、覗き込むようにして音楽室の中の様子を伺うと……やはりそこには見知った姿があった。
「素敵な演奏だったよ。」
僕が軽く拍手で称えながらそう言葉をかけると、先程までピアノの鍵盤を打ち鳴らすことに集中しきっていた彼女はようやく僕の存在に気が付いた。
「あっ、光葉〜!これから部活〜?」
「ああ、たまたま通りがかったらティアナの演奏が聴こえてきたから。」
部活まではまだ時間がある。もう少し彼女と……彼女の演奏を聴きたかった僕は、凭れるようにそっとピアノに腰掛け、口を開いた。
おのじろう
DOODLEおのさと納税の返礼品たち(文字なし)です!本当にありがとうございます!!・プル夜(自陣)
・いわひら(自陣)
・壊胎/傀逅(自陣)
・うえでら(3陣)
・ステガノ(自陣)
・アストロナウト(自陣)
・空蝉(1陣)
・ルベジャ(自陣/HO4.5) 9
Layla_utsusemi
PAST一次創作【空蝉日記】のショートストーリー。日頃、喧嘩勃発→永介が背負おうとする→沈静化のパターンを永遠に繰り返してる三人。【空蝉日記 短編】烏鷺の争い「テメェ、ふざけんなよっ!!」
──珍しく部活に来たと思ったら、実の兄めがけて開口一番に怒号を上げた怜音。対する片割れ……帝は、まるでこの状況を予見していたかのように涼しげな顔を浮かべていた。
「人と会ってまず最初に挨拶の一つも出来ないとは、幼稚園児も驚きだな。」
「んなこたぁどうだっていいんだよ!今朝のアレはなんだ!?」
怜音は捲し立てると、今にも殴り掛かる勢いで帝に迫った。
「俺はアイツらの女には手ぇ出してねぇし、朝っぱらから変な勘違いされて絡まれたんだよ!お前、あの連中に何吹き込んだ!?」
「あまりに主語が欠けているな。何の話か全く分からない。だが内容を聞くに、恋愛関係のもつれで他の生徒からの顰蹙を買った……といった所か?」
1621──珍しく部活に来たと思ったら、実の兄めがけて開口一番に怒号を上げた怜音。対する片割れ……帝は、まるでこの状況を予見していたかのように涼しげな顔を浮かべていた。
「人と会ってまず最初に挨拶の一つも出来ないとは、幼稚園児も驚きだな。」
「んなこたぁどうだっていいんだよ!今朝のアレはなんだ!?」
怜音は捲し立てると、今にも殴り掛かる勢いで帝に迫った。
「俺はアイツらの女には手ぇ出してねぇし、朝っぱらから変な勘違いされて絡まれたんだよ!お前、あの連中に何吹き込んだ!?」
「あまりに主語が欠けているな。何の話か全く分からない。だが内容を聞くに、恋愛関係のもつれで他の生徒からの顰蹙を買った……といった所か?」