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    サチ

    Psich_y

    MAIKINGドリ→パレスの逆行もの。現地ゼンと手を組み、歴史を変えんとする冠の魔の手から狂った建築家を取り返そうとする話with旅笠……になるはずだったもの。
    ※カヴェ←アル、ドリ→パレス前提サチェカヴェ未遂
    冠「やはり彼に遺産を受け取ってほしい!!」
    カヴェ「砂漠で建築? わかった、いっぱいするね♡(虚無目)」
    ドリ「私のパレス返して」
    ゼン「先輩を返せ😠」
    旅笠「うーーーん(ドン引き)静観するか……」
    砂の魔物 ドリーは激怒した。必ずあの厚顔無恥で傍若無人、制御不能のリシュボラン虎のような――否、ドリーに与える損害の規模が小さいだけ、野生のリシュボラン虎の方がマシである――最悪一歩手前の債務者から、この損害分をキッチリ取り立ててやると決意した。
     ドリーは一流の商人である。商売に関する人一倍鋭敏な感覚を持ち、ほんの少しの損ですら気に病んでしまうくらい“繊細”な性格をしていた。自分が被るリスクに敏感な性格を最大限に活用し、他人よりずっと早く、市場の天秤を自らの手で大胆に傾けてきた。大きな利益を得るためには、市場の流れに追従するのではなく、自分自身がその流れを作り出さなければならない。その中には、まだ誰も知らない技術を産み出す、才能の原石を誰よりも早く捕まえなければならないのだ。つまり、投資である。
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    liliput

    MAIKINGついったで話が出たのでかつてバレンタイン用にこねていた書きかけを晒します。続きができるかどうかは未定です。
    うさちょむ前提うさしい、しいなさんが🐰さんちで一緒にチョコレートを作るだけの話です。多分……
     ちらりと腕時計に目を走らせて時間通りであることを確認すると、しいなは深呼吸した。そして目の前のマンションの扉を見上げる。クラシックな雰囲気の品の良い低層集合住宅、いわゆるヴィンテージマンションと呼ばれるタイプのそれは、大きな都立公園の傍らの閑静な住宅地に佇んでいた。向こう十数年は絶対に価格が下がらないだろうそれは、銀行員が選ぶ物件としていかにもそれらしい。
     しいなは意を決してインターフォンを押した。すぐに柔らかな男性の声がはい、と聞こえ、エントランスの扉が開く。建物の奥の角、彼の部屋の扉を叩くと、いつもと変わらぬ柔和な笑顔がしいなを出迎えた。
     宇佐美銭丸、しいなの恐ろしい上司。

     いらっしゃい、上がってくださいという声に従い、しいなは宇佐美の後に続いた。穏やかな冬の陽が射す室内は機能的ながら質の良い調度でまとめられ、すっきりと片付いている。一人暮らしにはやや広すぎるが、来客が頻繁にあるなら必要な広さなのかもしれない、という程度のゆったりとした間取りである。いかにも宇佐美の部屋、という印象だ。しいなは素早く室内の隅に目を走らせ、半ば職業的な癖で値踏みし、そして宇佐美らしい丁寧な資産維持に密かに感服した。宇佐美はそんなしいなの視線など全く気付かぬ態度でしいなをダイニングに通すと、どうぞ座ってくださいと言ってキッチンに立った。
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