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    megalomania32

    MOURNING「禰󠄀豆子ちゃんは俺が守る」が、守るものが増えてどんどん変化していったらいいなと思ったのにやたら暗くなったので供養。冬に書いたきりすっかり忘れてた。
    三人称を練習しようと思ったんです…
    守りたいもの 雪が降る夜。

     しんしんと雪が降る雲取山の麓。
     我妻家の寝室では、善逸と禰󠄀豆子に挟まれて三人の子供が穏やかな寝息を立てていた。
     禰󠄀豆子はいつも、一番幼くてまだお乳を飲んでいる次男とくっついて寝るが、今日は珍しく長男と一緒に寝ていた。妹と弟が生まれ、お兄ちゃんとしての振る舞いが増えた長男。夫よりもどちらかというと兄の炭治郎に似てしっかりした長男に、つい頼ってしまう。でも、まだまだ甘えたい盛りの三歳。今日はかぁかと一緒に寝ましょ、と言ったときの、長男の嬉しそうな顔を思い出しながら、禰󠄀豆子は幸せな気持ちで眠りについた。

     善逸と結婚して子を授かった。家族がいなかった二人に新たな幸せを運んできてくれた子供たちは、何よりも大切で愛しく尊い。禰󠄀豆子だけに注がれていた善逸の深い愛情は、子供たちにも惜しみなく注がれていった。穏やかで、美しくて、宝物みたいな日々だわ、と禰󠄀豆子は思っていた。
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