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    きゃろ

    _aonof

    PROGRESSヤの夏×バーテンダー男主。
    予感の3話。「キャロル」
    バーテンダーの大会で優勝した。
    と言っても創作部門で優勝しただけで、総合優勝は逃してしまったので、また来年挑戦したいところだ。初めて優勝を掴んだおかげで、あちこちのハイクラスホテルから出張の依頼が来て忙しくなった。
    オーナーがそれも経験だというので、片端から出かけては、パーティ会場に設置されたバーカウンターで腕を振るう日々だ。
    毎日忙しくしていて、あの男のことは忘れかけていた。
    その日も大きなパーティに呼ばれて、バーカウンターで忙しくカクテルを作っていた。絶えず人が眺めに来ては、作ってほしいカクテルを言うのでIngaにいるときより忙しい。
    メニューが絞ってあるとはいえ、目まぐるしく注文される忙しさは中々経験出来ないものだ。
    人の波が途切れた時に、その声はした。
    「キャロルを作ってもらえないかい?」
    聞き覚えのある低い艶のある声に、はっと顔を上げると、そこには……。
    名前を呼ぼうとして、知らないことに気づく。
    「夏油だよ。夏油傑。妙なところで会うね」
    そう言った男、夏油は、真っ黒なブランドスーツに身を包んでいた。身長があるせいで会場内で目立つ。綺麗な顔立ちにちらちらと視線を送るのは女ばか 3089