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    eden

    秘みつ。

    DONE凪茨ジュンひよ▼香水について、映画鑑賞会Eden
    リクエストありがとうございました

    リク企画http://hi.mi210.com/text/anni10th
    パヒューム・バイ・ジ・エデン
     
     薔薇の精油一滴には薔薇二百輪が必要だという。今日もそのために薔薇の谷は数多(あまた)の薔薇を摘み取っているのだろう。
     凪砂と茨のプライベートマンションに、今夜は日和とジュンもいる。突然決まった映画観賞会が決行され、くらい部屋にエンドロールが流れているところだ。
    「いや――なんかすげえ話でしたねぇ」
    「ほとんど原作通りでよかったな」
    「凪砂くん原作通りで退屈しない人? 僕は退屈するね! でも読んだことないからよかったね! 映像が綺麗だったね」
    「ああ、最近読了したからこの映画だったのですね。なるほど」
    『パヒューム―ある人殺しの物語』は二〇〇六年の映画。パトリック・ジュースキントの『香水 ある人殺しの物語』の映画化だ。魚市場のゴミ溜めに産み落とされ、そのまま捨てられるはずだった赤子は、産声を上げ母親を絞首台送りにする。ジャン=バティスト・グルヌイユは異様な孤児として成長した。かれには驚異的な嗅覚が備わっており、どんな匂いも嗅ぎ分けることができた。しかしかれには全く体臭がなかった。かれを虜にしたのは美少女の匂いで、それを追い求める故にころしてしまう。その失われた匂いを永遠にするために、調香師に弟子入りし、どんな香りでも抽出できる冷浸法で美少女をころしていく――という話。
    2020