4/11投稿分🚬交際を始めて2年ほど。年齢的にも地位で見てもそろそろその先を考えてはいる。いる、が。俺にとってのこいつと、🌸にとっての俺が同じであるとはどうしたって思えない。俺が将来なんてものを考えられるのは🌸だけだ。では逆は？……🌸なら、もっと穏やかで、優しくて、素直に愛情を伝えられる、ずっと傍にいられるような男がいくらでもいるのだ。そしてそういう奴の方が、普通の幸せとやらを与えてやれるのだろうとも。いつ死ぬとも分からない俺より。死んだ後にもそう大したものを遺してやれないだろう俺より。分かってはいる。それでも🌸を手放せないのだ。カーテンの隙間から差す朝日に白く照らされる、穏やかな寝顔にかかる髪をそっとよける。これからまた3ヶ月ほどの遠征だ。

4/18彦さんスペ140字お題：ストッキング(破り)

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人獣型の鋭い爪で軽くなぞられただけで伝線していく繊維に虚しくなる。こちらは細心の注意を払って着用している薄衣なのに。「肌に傷は付けてないんだから感謝して欲しいくらいだな」表れた素肌に巻き付く太い尻尾と機嫌良さげに鳴る喉に絆されているのだから、まぁ、新品を買ってくれたら許してあげる。

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コレ、破っていいか。お互い身に纏うものを減らしていく最中で太腿をそっと撫でながらギラついた視線と共に言われて頷いた。彼は顔を近付けたと思えば軽く食む。サラリと長い髪が擽ってピクリと動けばそれを咎めるように噛まれる。プチと音を立てて繊維が切れれば表れた肌に、生温く舌が這うその先は。

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鳥の姿だからと遠慮なく抱き着いて擦り寄ってくる彼女は微妙なこちらの心情など察してくれない。まして先程爪で引っかかり破けてしまった薄布の間から覗く柔肌から必死に目を背けるこちらの気持ちなど。………コイツ5分後覚悟しろよい。