@ao5v_e
DONEれんばんドロライお題『ひまわり』
夏に出かけるれんばん
ひまわりが似合う ひまわりは揺れる。
万浬の視界には、あざやかな黄色の花たちがならんでいた。そよそよとたよりなく吹く風にのって、太陽を模したような大きな花がゆらゆらと揺られているのがきれいだ。
駅までの道、通りかかった小学校の前、花壇にはひまわりがひしめきあいながら咲いている。目を奪われてしまう、万浬は思わず足を止めていた。あかるい黄色の花びらがあざやかだ。まるで真夏の太陽を模したすがた。まぶしく感じてしまって、目をすがめている。
「……あれ? 万浬?」
少し先を歩いていってしまった蓮が、振り返っている。これは万浬がわるい。立ち止まったのに、かれに、なんにも言わなかったからだ。蓮は不思議そうな顔をしつつ、万浬のところまで戻ってきた。どうかしたのかとたずねてくる。
1368万浬の視界には、あざやかな黄色の花たちがならんでいた。そよそよとたよりなく吹く風にのって、太陽を模したような大きな花がゆらゆらと揺られているのがきれいだ。
駅までの道、通りかかった小学校の前、花壇にはひまわりがひしめきあいながら咲いている。目を奪われてしまう、万浬は思わず足を止めていた。あかるい黄色の花びらがあざやかだ。まるで真夏の太陽を模したすがた。まぶしく感じてしまって、目をすがめている。
「……あれ? 万浬?」
少し先を歩いていってしまった蓮が、振り返っている。これは万浬がわるい。立ち止まったのに、かれに、なんにも言わなかったからだ。蓮は不思議そうな顔をしつつ、万浬のところまで戻ってきた。どうかしたのかとたずねてくる。
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DONE2023/05月に出した、コピー本より再録です。お花見をするれんばんです。
散る散る満ちる 東京は春が早い。
三月がはじまって数日のことだ。蓮が見上げた空が澄んだ水色をしていたので、しばらくそのまま眺めている。ずいぶんときれいだったから、思わず見入ってしまっていた。
昼さがり、公園のベンチに座っていればさんさんと日がさしてきて、ぽかぽかとあたたかい。
しろっぽくてまぶしい、けれどやさしい光に照らされていれば、眠たくなってくる。吹いてくる風は粉っぽくて、鼻先をかすめるたび、ふわふわの綿にくすぐられているような心地になった。ひらたく言うとむずがゆい。さっきから、くしゃみばっかり出てしまう。
気候だけでなく、公園を見れば、どこもかしこも春めいていた。花壇のそばで蝶々がひらひらと飛んでいるし、生垣は若草色の芽を生やしている。冬のころの公園は全体的に茶色だったのに、いつの間にか緑にうつり変わっていた。
11840三月がはじまって数日のことだ。蓮が見上げた空が澄んだ水色をしていたので、しばらくそのまま眺めている。ずいぶんときれいだったから、思わず見入ってしまっていた。
昼さがり、公園のベンチに座っていればさんさんと日がさしてきて、ぽかぽかとあたたかい。
しろっぽくてまぶしい、けれどやさしい光に照らされていれば、眠たくなってくる。吹いてくる風は粉っぽくて、鼻先をかすめるたび、ふわふわの綿にくすぐられているような心地になった。ひらたく言うとむずがゆい。さっきから、くしゃみばっかり出てしまう。
気候だけでなく、公園を見れば、どこもかしこも春めいていた。花壇のそばで蝶々がひらひらと飛んでいるし、生垣は若草色の芽を生やしている。冬のころの公園は全体的に茶色だったのに、いつの間にか緑にうつり変わっていた。
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DONEキミステリリースおめでとうございます!!!#スタコンフェス_タグ祭
お題『彼の好きなところ』をお借りしました。
りんごを食べるれんばんです。
林檎を食べる 赤いりんご。
蓮は、万浬の手元をじっと見ていた。かれが包丁を手に取る。りんごを二つに割って芯を取った。実をまた半分に割って四分の一。迷いなく包丁を動かして、するすると刃が進むたび、りんごの皮が剥かれていく。まな板の上に赤い皮がぽとりと落ちる。皿の上には、白い身の、くし形のりんごがころんと置かれる。みずみずしそうでおいしそう。
蓮はすっかり感嘆していた。すごいなあ、なんて思っていたら口に出ていたらしい。
「……なにが?」
蓮のことばに、万浬は不思議そうに首を傾げている。
「うん。万浬って器用だなあって」
「りんごの皮、剥いただけで?」
「それがすごいんだって」
万浬はあきれたように肩をすくめたが、けれども蓮だってこれは本音だ。だって自分にはできないことだから。
2782蓮は、万浬の手元をじっと見ていた。かれが包丁を手に取る。りんごを二つに割って芯を取った。実をまた半分に割って四分の一。迷いなく包丁を動かして、するすると刃が進むたび、りんごの皮が剥かれていく。まな板の上に赤い皮がぽとりと落ちる。皿の上には、白い身の、くし形のりんごがころんと置かれる。みずみずしそうでおいしそう。
蓮はすっかり感嘆していた。すごいなあ、なんて思っていたら口に出ていたらしい。
「……なにが?」
蓮のことばに、万浬は不思議そうに首を傾げている。
「うん。万浬って器用だなあって」
「りんごの皮、剥いただけで?」
「それがすごいんだって」
万浬はあきれたように肩をすくめたが、けれども蓮だってこれは本音だ。だって自分にはできないことだから。
@ao5v_e
DONEハンドクリームをわけあうれんばんいつも蓮くんが押せ押せな感じに書きがちなんですが、万浬くんも蓮くんを振り回すことだってありそう…と思ったのでそういう方向を目指してみました。 2571