umeboshi_juju
DONEカルピスソーダのペットボトルの文言に萌え散らかした結果のやつ。pixivにも同じ小説があります。毒を食らわば皿まで「振ってはいけませんよ」
七海が僕に炭酸飲料をくれる時によく言う言葉だ。僕は炭酸飲料(特にコーラ)が好きでよく飲む。それを見ているからか、七海は僕が落ち込んでいる時には寄り添うように、嬉しいことがあった時はともに喜んで僕に炭酸飲料を買ってくれることがあるのだ。
僕は炭酸が喉を通り抜けるあのシュワシュワとした感じが好きだから、むやみに振って炭酸が抜けるようなことはしない。それでも七海は言ってくる。
「振っては」「いけませんよ?」
ある日僕は七海の言葉に被せるように言ってみたんだ。だって僕は七海の前で一度たりとも炭酸飲料を振ったことがないのに、いつも言うから不思議で仕方がなくて。
「っ……」
そうしたら七海は言葉を詰まらせて、そのまま動かなくなってしまった。
4096七海が僕に炭酸飲料をくれる時によく言う言葉だ。僕は炭酸飲料(特にコーラ)が好きでよく飲む。それを見ているからか、七海は僕が落ち込んでいる時には寄り添うように、嬉しいことがあった時はともに喜んで僕に炭酸飲料を買ってくれることがあるのだ。
僕は炭酸が喉を通り抜けるあのシュワシュワとした感じが好きだから、むやみに振って炭酸が抜けるようなことはしない。それでも七海は言ってくる。
「振っては」「いけませんよ?」
ある日僕は七海の言葉に被せるように言ってみたんだ。だって僕は七海の前で一度たりとも炭酸飲料を振ったことがないのに、いつも言うから不思議で仕方がなくて。
「っ……」
そうしたら七海は言葉を詰まらせて、そのまま動かなくなってしまった。
たんごのあーる
TRAINING第42回 お題:無害、子猫、船を漕ぐ #夏五版ワンドロワンライ延長戦(@725_drwr)ワンライにも、猫の日にも遅刻…。
猫の話その腕の中に居たのは、小さな小さな仔猫2匹だった。真っ黒いのと真っ白いのが縺れるようにひとかたまりになって小さく震えている。
「どうしたの、それ。」
「任務の行きに見かけたんだけど、帰りもまだ元いたところにいて、で、雨もだんだんひどくなってきてたし、なんか、そのままにしておけなくて…。」
いつもの傍若無人さは鳴りを潜め、少しずつ声が小さくなり、どんどんと大きな背が丸まりうつむき加減になる悟に対して、場違いとは分かっているけれど、思わずカワイイと思う自分に気がついて、慌てて気を引き締める。
「どうするの、それ。」
「ヤガセンにはもう報告してて、とりあえず飼い主見つかるまでは面倒みろって言われてて。…傑も手伝ってくれるよな?」
2168「どうしたの、それ。」
「任務の行きに見かけたんだけど、帰りもまだ元いたところにいて、で、雨もだんだんひどくなってきてたし、なんか、そのままにしておけなくて…。」
いつもの傍若無人さは鳴りを潜め、少しずつ声が小さくなり、どんどんと大きな背が丸まりうつむき加減になる悟に対して、場違いとは分かっているけれど、思わずカワイイと思う自分に気がついて、慌てて気を引き締める。
「どうするの、それ。」
「ヤガセンにはもう報告してて、とりあえず飼い主見つかるまでは面倒みろって言われてて。…傑も手伝ってくれるよな?」
たんごのあーる
TRAINING8月は頑張ろう、と思っていたのに。出遅れた。夏は、なんだか何しようかな、ってソワソワするな、と思いながら書いた短文。
夏が始まる最近どうもおかしい。おかしい、というよりは調子が出ない。というか、普通だと思っていたのに、調子が狂う。
入学してから、数ヶ月。ようやく環境にも慣れてきていろいろと落ち着いてくるかと思っていたが、現状は落ち着くどころか、なにかと戸惑いがちだった。
「なぁー、なんか調子悪ぃんだけど。治して、硝子。」
誰かに聞いて欲しくなって、ため息まじりに教室の机に突っ伏し、家入に気持ちをこぼしてみる。
「はあ?ワタシに言わずに病院行け、病院。五条家なら、お抱え医師とかいるだろうに。」
咥えタバコのまま、眉間にシワを寄せて鋭く返される言葉に、がっかり感を隠さない五条は素直に口に出す。
「や、病院キライだし、そんなんじゃなくて。硝子って、なんでも治せるんじゃねーの?」
2120入学してから、数ヶ月。ようやく環境にも慣れてきていろいろと落ち着いてくるかと思っていたが、現状は落ち着くどころか、なにかと戸惑いがちだった。
「なぁー、なんか調子悪ぃんだけど。治して、硝子。」
誰かに聞いて欲しくなって、ため息まじりに教室の机に突っ伏し、家入に気持ちをこぼしてみる。
「はあ?ワタシに言わずに病院行け、病院。五条家なら、お抱え医師とかいるだろうに。」
咥えタバコのまま、眉間にシワを寄せて鋭く返される言葉に、がっかり感を隠さない五条は素直に口に出す。
「や、病院キライだし、そんなんじゃなくて。硝子って、なんでも治せるんじゃねーの?」
たんごのあーる
TRAINING[夏五ワンライ]お題:「甘い」で、チャレンジ。口直し煙草を吸っていても、コレジャナイ感が否めない。
呪霊の味を紛らわすために吸い始めた煙草だったが、吸ったところで、後味の悪さが消えるわけでもなく、それでも一時でも誤魔化すことのできる、手軽で身近なものであったから、手放せなくなっていた。
今日の任務で今後役に立ちそうな新しい呪霊を手に入れられたのは嬉しいが、取り込む時の不味さは今までと変わらなかったし、取り込んでからしばらく時間は経つけれど、思い出すとまた眉間に皺がよる。
ポケットに忍ばせておいた煙草を取り出し、ゆっくり火をつけた。飲み込んだ呪霊は、相変わらず不味かった。どう不味いのか、言葉で表現するとすれば、吐瀉物を拭いた雑巾の味、とでもいったところか。勿論、雑巾を飲み込んだり、味わったことはないけれど、とにかく口に入れて飲み下すまで、その臭いと舌に残る味があまりにもだし、飲み込んだ後しばらくは後を引いた。
1093呪霊の味を紛らわすために吸い始めた煙草だったが、吸ったところで、後味の悪さが消えるわけでもなく、それでも一時でも誤魔化すことのできる、手軽で身近なものであったから、手放せなくなっていた。
今日の任務で今後役に立ちそうな新しい呪霊を手に入れられたのは嬉しいが、取り込む時の不味さは今までと変わらなかったし、取り込んでからしばらく時間は経つけれど、思い出すとまた眉間に皺がよる。
ポケットに忍ばせておいた煙草を取り出し、ゆっくり火をつけた。飲み込んだ呪霊は、相変わらず不味かった。どう不味いのか、言葉で表現するとすれば、吐瀉物を拭いた雑巾の味、とでもいったところか。勿論、雑巾を飲み込んだり、味わったことはないけれど、とにかく口に入れて飲み下すまで、その臭いと舌に残る味があまりにもだし、飲み込んだ後しばらくは後を引いた。
たんごのあーる
TRAINING[夏五ワンライ]お題:星座占い。大遅刻。オチなしです。学生時代って、なんでもないようで、そこで価値観とか、処世術とか、いろんなことを学んでたり、吸収してたりしてたんだろうな、っていう。
「硝子、何読んでんの?」
ガタガタと音をたてて自分の椅子を引き寄せると、五条が覗き込んでくる。その距離の近さにややウンザリしながら、彼の子守役の男を探したが、教室内には見当たらなかった。
「ファッション誌。付録が欲しくて、コンビニで買ったんだけど、五条見る?」
「俺が見てどーすんの?」
と言いながらも、どうやら手持ち無沙汰だったようで、五条はペラペラとページをめくり始めた。この服は硝子に似合いそう、だの、猫カワイイだの、新発売のこのお菓子が美味しそうだの、他愛もない話で盛り上がる。
「どうでもいいしすぐ忘れちゃうんだけど、最後のほうの星座占い、つい見ちゃうんだよなぁ。ちなみに五条、何座?」
「俺?誕生日12月7日だから…何座?」
2117ガタガタと音をたてて自分の椅子を引き寄せると、五条が覗き込んでくる。その距離の近さにややウンザリしながら、彼の子守役の男を探したが、教室内には見当たらなかった。
「ファッション誌。付録が欲しくて、コンビニで買ったんだけど、五条見る?」
「俺が見てどーすんの?」
と言いながらも、どうやら手持ち無沙汰だったようで、五条はペラペラとページをめくり始めた。この服は硝子に似合いそう、だの、猫カワイイだの、新発売のこのお菓子が美味しそうだの、他愛もない話で盛り上がる。
「どうでもいいしすぐ忘れちゃうんだけど、最後のほうの星座占い、つい見ちゃうんだよなぁ。ちなみに五条、何座?」
「俺?誕生日12月7日だから…何座?」
たんごのあーる
TRAINING5月9日はアイスクリームの日。あまくてとけてるヤツが書きたかった。。。任務完了後、寮に一番近いコンビニで降ろしてもらった2人は、迷うことなくお次々とお菓子をカゴにいれていく。チョコ、ポテトチップス、キャンディー、菓子パン。小さなカゴはあっという間にいっぱいになる。
「なぁ、傑。アイスも買おうぜ。」
と、ショーケースの中を覗き込む悟に、3つまでね、といい、もうひとつカゴを取って、飲み物を放り込んでいく。
硝子に頼まれたものを含めて、流れるように会計まで済ませると、ひとつを五条に手渡した。さっそく袋の中を漁る五条に、お店出てからだよ、と言い聞かせ、もうひとつの袋と、自分用のアイスコーヒーを受け取ると、夏油も後を追ってコンビニを出た。
五月晴れの眩しい空の下、さっそく買ったアイスを開ける五条を横目に、アイスコーヒーを口にする。
「頼まれたもん、買ったよな?硝子怒らせるとおっかねぇから。」
「ちゃんと買ったよ。袋、もらって分けとけばよかったかな。」
「問題ないだろ。どうせ、傑の部屋に集まるんだし。それにしても、今日暑いな。箱のアイスも買っときゃよかった。」
そう言いながらアイスを頬張る横顔に、任務が終わったことを実感し、遂行した安堵がようやく押し寄せる。今日の呪 972
たんごのあーる
TRAINING〔夏五ワンライ〕お題:サンダル、闇、癇癪。浅い眠りだったのか、夜中に目が覚めて煙草を吸おうと思ったら、いつもの煙草を昨夜のうちに切らしてしまったことを思い出し、仕方なくコンビニに買い物に行こうとした時、いつものサンダルが見当たらない。靴箱の中も、その周りもぐるっと見渡したけれども見つからない。だとすれば、きっと彼処だな、とあたりをつけたものの、時間は午前二時過ぎ、丑三つ時。さすがに起きてないだろうと、いつもの靴を履いて外に出て見上げたその先の部屋には明かりが点いていた。
ふぅ、と一つため息をついて、文字通りとぼとぼとそのままコンビニに向かう。寮からのコンビニまでは五分弱の距離だが、街灯が少なくほの暗い。
なんでこんなことになったのか。あれからずっと考えているが、見当もつかない。急に癇癪を起こしたとしか思えなかった。いつもなら子どもみたいな悪口を言いあって、じゃれあいみたいな喧嘩をしても、すぐにごめんねと言えば元通りになるはずだったのに、何がきっかけだったのか、いくら考えても分からなかった。
2660ふぅ、と一つため息をついて、文字通りとぼとぼとそのままコンビニに向かう。寮からのコンビニまでは五分弱の距離だが、街灯が少なくほの暗い。
なんでこんなことになったのか。あれからずっと考えているが、見当もつかない。急に癇癪を起こしたとしか思えなかった。いつもなら子どもみたいな悪口を言いあって、じゃれあいみたいな喧嘩をしても、すぐにごめんねと言えば元通りになるはずだったのに、何がきっかけだったのか、いくら考えても分からなかった。