ななめ
DONE【漫画】散策日和【草野、檀、太宰/横光、堀、川端】『言葉紡ギテ縁ト成ス』bnalオンリーの展示作品です。
2021年6月20日「想イ集イテ弐」bnalオンリーオンライン即売会にて、8ページ折本ネットプリントとして、こちらの漫画を頒布しました。 8
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DONE【漫画】たんぽぽとんだ【草野、新美、三木】『言葉紡ギテ縁ト成ス』bnalオンリーの展示作品です。
2021年11月28日「想イ集イテ参」bnalオンリーオンライン即売会にて、8ページ折本ネットプリントとして、こちらの漫画を頒布しました。 8
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DONE【漫画】旅する仲間【内田、直木、中里】『言葉紡ギテ縁ト成ス』bnalオンリーの展示作品です。
2021年11月28日「想イ集イテ参」bnalオンリーオンライン即売会にて、8ページ折本ネットプリントとして、こちらの漫画を頒布しました。 8
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DONE【小説】ケーキ、追加注文で【田端】『言葉紡ギテ縁ト成ス』bnalオンリーの展示作品です。
2020年11月1日「想イ集イテ」bnalオンリーオンライン即売会にて、小説再録本『図書館の隙間』に書き下ろした小話のひとつです。他の書き下ろしはweb収録の予定はありません。
ケーキ、追加注文で【田端】 軽井沢風の、とでも言えばいいのか、とにかく小洒落た喫茶店で、室生は目の前の堀と中野がケーキを食べる姿を眺めていた。堀のお気に入りの喫茶店。店自体は小さいが天井が高く開放感がある。格子組の窓からは夏蜜柑のような光が差し込んでくる。
天然木の四角いテーブルの上には数本のベニバナが飾られている。綺麗なのだが二人を見るのには邪魔だなと、室生はガラスの花瓶をテーブルの端に寄せた。
「どうしたんですか、犀さん」
「いや……それよりシゲはそれだけで足りるのか?」
中野が気づいて尋ねてくるのをなんだか気恥ずかしく思いつつ、室生は話を逸らした。
「そうだよ、しげじ。足りないんじゃない?僕の一口あげるよ」
堀が自分のケーキを一口分フォークに刺して、それを中野へ差し出す。「辰、いいよ」「いいから食べて」、そんな会話を微笑ましく眺めつつ、室生はメニューを手元に引き寄せる。今日は二人を労うのが目的だった。武者小路が夏の休暇を取って四人で旅行に出かけてしまったのと、同じ時期に徳冨も休暇を取ったため、その間だけ畑仕事を手伝ってもらったのだ。
1562天然木の四角いテーブルの上には数本のベニバナが飾られている。綺麗なのだが二人を見るのには邪魔だなと、室生はガラスの花瓶をテーブルの端に寄せた。
「どうしたんですか、犀さん」
「いや……それよりシゲはそれだけで足りるのか?」
中野が気づいて尋ねてくるのをなんだか気恥ずかしく思いつつ、室生は話を逸らした。
「そうだよ、しげじ。足りないんじゃない?僕の一口あげるよ」
堀が自分のケーキを一口分フォークに刺して、それを中野へ差し出す。「辰、いいよ」「いいから食べて」、そんな会話を微笑ましく眺めつつ、室生はメニューを手元に引き寄せる。今日は二人を労うのが目的だった。武者小路が夏の休暇を取って四人で旅行に出かけてしまったのと、同じ時期に徳冨も休暇を取ったため、その間だけ畑仕事を手伝ってもらったのだ。
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DONE【小説】空に向かって跳べ!【室生、萩原、芥川】『言葉紡ギテ縁ト成ス』bnalオンリーの展示作品です。
2021年6月20日「想イ集イテ弐」bnalオンリーオンライン即売会にて、8ページ折本ネットプリントとして、こちらの小説を頒布しました。
空に向かって跳べ!【室生、萩原、芥川】 これは俺が蛙みたいに跳ねた時の話だ。室生犀星が蛙だなんておかしいって? はは、まあこれはものの例えだよ、もちろん分かっているだろうけど。
数日前、夜中にずいぶん雨が降っただろ。あの時は、俺、深夜に雨が窓を叩きつける音で目を覚ましてさ。こりゃあひどい、畑の様子が心配だと気が気じゃなかったんだが、朝起きて窓を開けたら綺麗な朝焼けで、想像したほどには庭に水たまりもないんで拍子抜けしてしまった。さっさと着替えて、それからなんやかんやと朝の支度をしてもう一度窓から外を眺めたんだが、朝の空ってのはあっという間に色が変わる。さっきまで茜色だったのが嘘みたいにしれっと青い空が広がっているんだ。それでもところどころに杏色の雲が、朝焼けを名残惜しむように浮かんでいたよ。
2442数日前、夜中にずいぶん雨が降っただろ。あの時は、俺、深夜に雨が窓を叩きつける音で目を覚ましてさ。こりゃあひどい、畑の様子が心配だと気が気じゃなかったんだが、朝起きて窓を開けたら綺麗な朝焼けで、想像したほどには庭に水たまりもないんで拍子抜けしてしまった。さっさと着替えて、それからなんやかんやと朝の支度をしてもう一度窓から外を眺めたんだが、朝の空ってのはあっという間に色が変わる。さっきまで茜色だったのが嘘みたいにしれっと青い空が広がっているんだ。それでもところどころに杏色の雲が、朝焼けを名残惜しむように浮かんでいたよ。
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DONE【小説】華麗なる錬金術【直木、内田、鈴木】『言葉紡ギテ縁ト成ス』bnalオンリーの展示作品です。
2021年6月20日「想イ集イテ弐」bnalオンリーオンライン即売会て、8ページ折本ネットプリントとして、こちらの小説を頒布しました。
華麗なる錬金術【直木、内田、鈴木】、猫の友人【内田、直木、鈴木】 華麗なる錬金術【直木、内田、鈴木】
飛行機に乗りたいと言ったら、向かい側に座る内田が「おっ、いいねえ」と身を乗り出してきた。その表情はすでに何かを企んでいる顔だ。直木も知らずニヤリとして「乗りたいねえ」と繰り返す。乗りたいねえなどと言ったが別に深い考えがあったわけではない。ふと思いつきを口にしたまでだ。それでも、口に出したら本当に乗りたくなってきた。それで目的地はどこがいいかと尋ねると、内田は「九州もいいし北海道もいいね。いや、それとも……」などと真剣な顔で思案を巡らせている。
日が傾いて、窓から差し込む光が内田の頬に当たる。珍しく食堂はがらんとしている。午後のお茶には遅く、夕飯にはまだ早い。もっともここに集まる文士が一般的な時間感覚を持っているはずもなく、起きた時間が朝だし食事をしたいと思った時が食事時だ。だから食堂を覗けばたいてい誰かしらいるのだが、昼寝のあと直木が顔を出した時には、内田がぽつねんと窓近くの席に座って片肘をついて外を眺めているだけだった。近づいて行って、何か外に面白いものでもあるのかと声をかけると、内田は「面白いものがあるかないかは問題ではない。俺が見たいからこうしているんだ」とすました顔で嘯いた。面白い奴だなと思う。それで向かい側に座って珈琲を飲んだ。内田は直木が来た時から気が抜けたような炭酸水を飲んでいて、今もグラスを片手に飛行機の魅力を語っている。直木がオマエ本当に飛行機好きだなと言ったら、「俺は飛行機には一家言あるよ」と威張ってみせた。
2771飛行機に乗りたいと言ったら、向かい側に座る内田が「おっ、いいねえ」と身を乗り出してきた。その表情はすでに何かを企んでいる顔だ。直木も知らずニヤリとして「乗りたいねえ」と繰り返す。乗りたいねえなどと言ったが別に深い考えがあったわけではない。ふと思いつきを口にしたまでだ。それでも、口に出したら本当に乗りたくなってきた。それで目的地はどこがいいかと尋ねると、内田は「九州もいいし北海道もいいね。いや、それとも……」などと真剣な顔で思案を巡らせている。
日が傾いて、窓から差し込む光が内田の頬に当たる。珍しく食堂はがらんとしている。午後のお茶には遅く、夕飯にはまだ早い。もっともここに集まる文士が一般的な時間感覚を持っているはずもなく、起きた時間が朝だし食事をしたいと思った時が食事時だ。だから食堂を覗けばたいてい誰かしらいるのだが、昼寝のあと直木が顔を出した時には、内田がぽつねんと窓近くの席に座って片肘をついて外を眺めているだけだった。近づいて行って、何か外に面白いものでもあるのかと声をかけると、内田は「面白いものがあるかないかは問題ではない。俺が見たいからこうしているんだ」とすました顔で嘯いた。面白い奴だなと思う。それで向かい側に座って珈琲を飲んだ。内田は直木が来た時から気が抜けたような炭酸水を飲んでいて、今もグラスを片手に飛行機の魅力を語っている。直木がオマエ本当に飛行機好きだなと言ったら、「俺は飛行機には一家言あるよ」と威張ってみせた。
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DONE【小説】三つの傘【堀、中野、三好/堀、中野、室生】『言葉紡ギテ縁ト成ス』bnalオンリーの展示作品です。
2021年11月28日「想イ集イテ参」bnalオンリーオンライン即売会にて、8ページ折本ネットプリントとして、こちらの小説を頒布しました。
三つの傘【堀、中野、三好】、雀【堀、中野、室生】 三つの傘【堀、中野、三好】
「犀さんが心配するかもしれないね」
しげじの声に僕ははっとして振り返った。
「あ、うん、そうだね……」
少し長居をしすぎたかもしれない。僕は生返事をしながらテーブルの上で手のひらを組み直した。ぼうっとしげじの顔を眺める。しげじは静かに微笑んで「辰が良ければもう少しここにいようか」と言って窓の外へ目を向けた。
僕も同じように窓の向こうを見る。午後四時の雲は暗く垂れ込めている。喫茶店の華奢な窓枠に縁取られた世界は雨で霞んでおり、その中を深く沈んだ色をした傘がゆっくりと流れていく。
もう少しこうしていたいという僕の気持ちをしげじが汲み取ってくれたのが嬉しかった。気の置けない友人とぼんやり過ごす時間はなんて素敵なんだろう。
3242「犀さんが心配するかもしれないね」
しげじの声に僕ははっとして振り返った。
「あ、うん、そうだね……」
少し長居をしすぎたかもしれない。僕は生返事をしながらテーブルの上で手のひらを組み直した。ぼうっとしげじの顔を眺める。しげじは静かに微笑んで「辰が良ければもう少しここにいようか」と言って窓の外へ目を向けた。
僕も同じように窓の向こうを見る。午後四時の雲は暗く垂れ込めている。喫茶店の華奢な窓枠に縁取られた世界は雨で霞んでおり、その中を深く沈んだ色をした傘がゆっくりと流れていく。
もう少しこうしていたいという僕の気持ちをしげじが汲み取ってくれたのが嬉しかった。気の置けない友人とぼんやり過ごす時間はなんて素敵なんだろう。
にしき
DOODLEふしぎなちからでアプリゲームの中にも潜れるようになりました💮勝手に前進してくれるから、標的ロボットを狙って撃つだけのFPS風。ぶんごーさんがこの軽快な動きしてたらかっこいいよなーってずっと思ってた。