さいじょう
PROGRESS半ゾンビになってしまったkrnと、元に戻すために頑張るisgのお話です。(その④)iskrです。⚠️krnが半ゾンビ化してます。欠陥等はなしですが、自我が弱めです。
isgと半ゾンビkrnのゆるゆる世紀末④◇
数日かけて、潔と黒名は僻地を抜けた。
ようやく街中といえる風景に近付いたとき、潔は安心すると同時に警戒を怠らなかった。
人が多い場所では、比例して感染者も増える。
暗闇に紛れられる夜よりも、太陽が照らす昼間は行動するには有利だった。
潔はあの特徴的な足音が聞こえないか常に耳を澄まし、定期的に周囲を見回した。
ここからは、より慎重になる必要があった。
数キロも進むと、段々と潔にとって見慣れた建物が現れはじめた。生まれ育った街を、これほど恋しいと思ったことはない。
気が緩むのを感じながら、角を曲がった潔がピタリと足を止める。つられて、黒名も立ち止まった。二人の視線の先には、こちらに背を向けて棒立ちになっている男性がいた。
4935数日かけて、潔と黒名は僻地を抜けた。
ようやく街中といえる風景に近付いたとき、潔は安心すると同時に警戒を怠らなかった。
人が多い場所では、比例して感染者も増える。
暗闇に紛れられる夜よりも、太陽が照らす昼間は行動するには有利だった。
潔はあの特徴的な足音が聞こえないか常に耳を澄まし、定期的に周囲を見回した。
ここからは、より慎重になる必要があった。
数キロも進むと、段々と潔にとって見慣れた建物が現れはじめた。生まれ育った街を、これほど恋しいと思ったことはない。
気が緩むのを感じながら、角を曲がった潔がピタリと足を止める。つられて、黒名も立ち止まった。二人の視線の先には、こちらに背を向けて棒立ちになっている男性がいた。
さいじょう
PROGRESS半ゾンビになってしまったkrnと、元に戻すために頑張るisgのお話です。(その③)iskrです。⚠️krnが半ゾンビ化してます。欠陥等はなしですが、自我が弱めです。⚠️ゾンビがテーマですが、グロ描写は極力カットしてます。目指せ、ゆるゾンビ。
isgと半ゾンビkrnのゆるゆる世紀末③◇
目を覚ました頃には、黒名は起きていた。
にぶい光が瞼に刺さり、潔は目を開ける前に早朝が来たことを悟った。森の中の澄んだ空気を吸いながら、ゆっくりと起き上がる。
黒名は遠くに見える、雲海の向こうに連なる山々に目を向けていた。その視線の先に、光を吸い込んだ雲に包まれた太陽が昇りかけており、まるで天国が近くにあるような神々しさがあった。
自然が見せる美しい早朝に、潔は息をのむ。そして、その景色を眺める黒名に顔を向けた。
淡いオレンジ色に照らされた黒名の頬はとても血色が良く見える。まるで何事もなかったように、静かに佇んでいる横顔に思わず潔は声をかけた。
「………黒名」
その響きに、黒名が日の出から目を外して潔を見る。
4355目を覚ました頃には、黒名は起きていた。
にぶい光が瞼に刺さり、潔は目を開ける前に早朝が来たことを悟った。森の中の澄んだ空気を吸いながら、ゆっくりと起き上がる。
黒名は遠くに見える、雲海の向こうに連なる山々に目を向けていた。その視線の先に、光を吸い込んだ雲に包まれた太陽が昇りかけており、まるで天国が近くにあるような神々しさがあった。
自然が見せる美しい早朝に、潔は息をのむ。そして、その景色を眺める黒名に顔を向けた。
淡いオレンジ色に照らされた黒名の頬はとても血色が良く見える。まるで何事もなかったように、静かに佇んでいる横顔に思わず潔は声をかけた。
「………黒名」
その響きに、黒名が日の出から目を外して潔を見る。
さいじょう
PROGRESS半ゾンビになってしまったkrnと、元に戻すために頑張るisgの話です。(その②)まだ続きますが、ハピエンです。
isgと半ゾンビkrnのゆるゆる世紀末②「絶対大丈夫だ、黒名。今度は俺がお前を助けるからな」
そう言った潔を、黒名は黙ったまま見つめ返す。どうやら、黒名という響きに反応しているようだ。
潔は体育座りをしている黒名に小声で語りかける。
「これ痛そうだな……。お前、よく自分で血止めたな。噛まれたら感染するって知ってたのか?」
黒名の腕を見ると、傷口に巻き付けられた布の血の滲みが少し濃くなっていた。
あたりを見回した潔は代用品を探すが、書類やファイルばかりで役に立ちそうなものはない。
テーブルの下から這い出た潔は、机の上の文房具立てからハサミを掴み、ついでに近くのティッシュを数枚抜き取って元の場所に戻る。
バスタード・ミュンヘンの上着を脱ぎ、その下に着ていた長袖のインナーシャツにハサミを立てた。
4562そう言った潔を、黒名は黙ったまま見つめ返す。どうやら、黒名という響きに反応しているようだ。
潔は体育座りをしている黒名に小声で語りかける。
「これ痛そうだな……。お前、よく自分で血止めたな。噛まれたら感染するって知ってたのか?」
黒名の腕を見ると、傷口に巻き付けられた布の血の滲みが少し濃くなっていた。
あたりを見回した潔は代用品を探すが、書類やファイルばかりで役に立ちそうなものはない。
テーブルの下から這い出た潔は、机の上の文房具立てからハサミを掴み、ついでに近くのティッシュを数枚抜き取って元の場所に戻る。
バスタード・ミュンヘンの上着を脱ぎ、その下に着ていた長袖のインナーシャツにハサミを立てた。
さいじょう
PROGRESS半ゾンビになってしまったkrnと、元に戻すために頑張るisgのお話です。⚠️krnが半ゾンビ化してます。欠陥等はなしですが、自我が弱めです。
⚠️ゾンビがテーマですが、グロ描写は極力カットしてます。目指せ、ゆるゾンビ。
isgと半ゾンビkrnのゆるゆる世紀末①◇
山奥にひっそりと建つ、青い箱。
監獄とも言われるその建物には、将来有望なフォワードの選手が集められており、世界一というひとつしかない座を巡って一意攻苦していた。
多くの者がふるいにかけられ、過酷な環境を生き残った選手たちは現在、このプロジェクトの第二段階であるネオ・エゴイストリーグと呼ばれる総当たりのリーグ戦を行っていた。
選手たちにとって他者はすべて敵手と言えたが、状況により手を組むこともあり、一概に憎き相手というわけでもなかった。
現在、時刻は正午を指しており、食堂に向かう選手たちの足取りは軽い。数少ない娯楽のうち、食事時間は多くの者の心の支えとなっていた。
例に漏れず、浮き出った声音で会話をしながら、並んで歩く五十嵐栗夢と、黒名蘭世もそうだ。監獄内では比較的小柄な部類に入る二人は、妙に波長が合い連れ歩くことが多かった。
10654山奥にひっそりと建つ、青い箱。
監獄とも言われるその建物には、将来有望なフォワードの選手が集められており、世界一というひとつしかない座を巡って一意攻苦していた。
多くの者がふるいにかけられ、過酷な環境を生き残った選手たちは現在、このプロジェクトの第二段階であるネオ・エゴイストリーグと呼ばれる総当たりのリーグ戦を行っていた。
選手たちにとって他者はすべて敵手と言えたが、状況により手を組むこともあり、一概に憎き相手というわけでもなかった。
現在、時刻は正午を指しており、食堂に向かう選手たちの足取りは軽い。数少ない娯楽のうち、食事時間は多くの者の心の支えとなっていた。
例に漏れず、浮き出った声音で会話をしながら、並んで歩く五十嵐栗夢と、黒名蘭世もそうだ。監獄内では比較的小柄な部類に入る二人は、妙に波長が合い連れ歩くことが多かった。
嗟弓@ A29393221
DOODLE潔黒短い ほとんど話言葉 黒名イカれ注意全ては夢の中春の温かな陽気を感じ、朝起きると、そこは暖かいベッドの上。しかし、知らない天井と知らない壁に囲まれた非日常的な空間で。体を埋める布団の中には俺以外の物体が確かにあった。
何気なく動かした足がその物体に触れると、物体はかすかに動き生きていることを証明する。物体こそ、俺と一緒の布団に寝ていた人物。顔を覗くと、見覚えのある顔が気持ちよさそうに寝息を立てていた。
黒名だ。
どういうことだろうか。記憶はないが俺は全裸で黒名と一緒の布団で寝ていた。言うまでもなく、黒名も全裸であり、困ったことになったらしい。そう、すぐに察せた。
程なくして、黒名が目をこすりながら体を起こす。すぐに黒名を問いただし、どう言うことか聞くと黒名は流暢に、悪気はなく、そしてにこやかに話し出した。
1672何気なく動かした足がその物体に触れると、物体はかすかに動き生きていることを証明する。物体こそ、俺と一緒の布団に寝ていた人物。顔を覗くと、見覚えのある顔が気持ちよさそうに寝息を立てていた。
黒名だ。
どういうことだろうか。記憶はないが俺は全裸で黒名と一緒の布団で寝ていた。言うまでもなく、黒名も全裸であり、困ったことになったらしい。そう、すぐに察せた。
程なくして、黒名が目をこすりながら体を起こす。すぐに黒名を問いただし、どう言うことか聞くと黒名は流暢に、悪気はなく、そしてにこやかに話し出した。