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PROGRESS現パロ高諸♀大学生になった尊奈門がモブ男に弄ばれて高坂さんのところに戻るお話。
今まで女子校で異性との付き合いもなく、悪い虫がつかないように守られてきた尊奈門が大学進学をきっかけに外の世界を知り心に傷を負ったところにすかさずつけこみ自分のものにしてしまう高坂さんが書きたかっただけです。
このあと普通にヨシヨシ慰めセックスするだろうから、そこを加筆してpixivにあげます。
高諸①雨が降っていた。五月の終わりにしては肌寒く、窓の外には濡れた街路樹が風に揺れている。高坂は、キッチンの時計をちらと見た。
――23時14分。今日も、尊奈門はまだ帰ってこない。
「……遅いな」
呟いた声が、静かな部屋に落ちた。
大学進学を機に、尊奈門がこのマンションに転がり込んできてから一年が経つ。最初は賑やかで、毎晩のように今日の出来事を語ってくれた。講義で隣になった子が面白かったとか、サークルに誘われたけど断ったとか、やけに細かく報告してくれるものだから、高坂はうんざりしながらも耳を傾けていた。
――だけど、あの男と付き合い始めてからは変わった。
「……尊」
小さく呼びかけるように名前を呟いたとき、カチャリ、と鍵が回る音がした。
2344――23時14分。今日も、尊奈門はまだ帰ってこない。
「……遅いな」
呟いた声が、静かな部屋に落ちた。
大学進学を機に、尊奈門がこのマンションに転がり込んできてから一年が経つ。最初は賑やかで、毎晩のように今日の出来事を語ってくれた。講義で隣になった子が面白かったとか、サークルに誘われたけど断ったとか、やけに細かく報告してくれるものだから、高坂はうんざりしながらも耳を傾けていた。
――だけど、あの男と付き合い始めてからは変わった。
「……尊」
小さく呼びかけるように名前を呟いたとき、カチャリ、と鍵が回る音がした。
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DOODLE死ネタ高諸マカロニえんぴつの星が泳ぐという曲が死ネタの高諸に聞こえたので書きました。
ぜひ聴きながら読んでください。
高諸②桜が咲く季節だった。
けれど、高坂の心に色はなかった。
尊奈門が逝ったのは、春の初め。任務中の事故だった。気がつけば、高坂の腕の中には血を流した尊奈門がいて——
「高坂さん、守れて…よかった」
最期にそんな言葉を残して、もう戻らなかった。それから、世界はずっとモノクロのままだった。
春が来ても、夏が来ても。
秋が過ぎて、冬が来ても。
花の香りにも、風の囁きにも、尊奈門の気配を探す日々だった。
⸻
お盆の夜、提灯が町を静かに照らす。
高坂は、縁側で一人、月を見上げていた。
「…お前がいないと意味がない」
声に出すと、胸が苦しくなった。
あんなに笑っていた、あんなに側にいた、あんなに…生きていたお前が——
「どうして、お前が、先に逝くんだ」
1290けれど、高坂の心に色はなかった。
尊奈門が逝ったのは、春の初め。任務中の事故だった。気がつけば、高坂の腕の中には血を流した尊奈門がいて——
「高坂さん、守れて…よかった」
最期にそんな言葉を残して、もう戻らなかった。それから、世界はずっとモノクロのままだった。
春が来ても、夏が来ても。
秋が過ぎて、冬が来ても。
花の香りにも、風の囁きにも、尊奈門の気配を探す日々だった。
⸻
お盆の夜、提灯が町を静かに照らす。
高坂は、縁側で一人、月を見上げていた。
「…お前がいないと意味がない」
声に出すと、胸が苦しくなった。
あんなに笑っていた、あんなに側にいた、あんなに…生きていたお前が——
「どうして、お前が、先に逝くんだ」
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DOODLE現パロ、学パロのにょたゆり高諸です。どちらも女体化しています。
高坂が尊奈門をとにかく可愛くて仕方ないと思っています。
尊奈門がちょっと可哀想です。
高諸④春の風が制服の裾を揺らし、桜の花びらが廊下に舞い込む放課後。
誰もが憧れの眼差しで見つめるその人物――高坂。
整った顔立ち、きりりとした瞳、凛とした立ち居振る舞い。すべてがまるで芸術作品のようだった。
近寄りがたい。話しかけるなんて無理。
生徒たちは口をそろえてそう言う。
そんな中、ふわふわのポニーテールを揺らして現れた一人の少女。
「高坂さん!」
明るい声とともに、高坂の隣にぴたりと立つその姿に、廊下の空気が一瞬止まった。
「…尊。今日も可愛いわね。そんなに笑って、どうしたの?」
「えへへ、高坂さんが隣にいるだけで、嬉しくなっちゃうんですもん」
高坂は、ほんの少し口角を上げて応じた。
その瞬間、周囲の視線が一気にざわめいた。
4197誰もが憧れの眼差しで見つめるその人物――高坂。
整った顔立ち、きりりとした瞳、凛とした立ち居振る舞い。すべてがまるで芸術作品のようだった。
近寄りがたい。話しかけるなんて無理。
生徒たちは口をそろえてそう言う。
そんな中、ふわふわのポニーテールを揺らして現れた一人の少女。
「高坂さん!」
明るい声とともに、高坂の隣にぴたりと立つその姿に、廊下の空気が一瞬止まった。
「…尊。今日も可愛いわね。そんなに笑って、どうしたの?」
「えへへ、高坂さんが隣にいるだけで、嬉しくなっちゃうんですもん」
高坂は、ほんの少し口角を上げて応じた。
その瞬間、周囲の視線が一気にざわめいた。
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PAST尊奈門のことが好きで好きで仕方ない高坂さんのお話。高諸⑦「高坂さん!」
尊奈門は駆け寄り、にこりと笑った。高坂はその姿を見て、いつものように優しく微笑む。
「尊、そんなに急いでどうした?」
「今日は昼休憩が長い日だから、一緒にお昼を食べたいなと思って……ダメですか?」
高坂は柔らかく目を細めた。
「ダメなわけがない。……行くか」
高坂にとって、尊奈門は昔から傍にいる存在だった。小さい頃から「陣にい」と言ってついてきた可愛い弟のような存在で、今も変わらず慕ってくれる。高坂も、尊奈門のことが大好きだった。ただ――尊奈門が自分を「好き」でいてくれる理由は、小さい頃からの憧れからだと思っていた。しかし、それはいつまで続くだろうか。尊奈門は、他の誰かに心を奪われることはないのか。高坂は、考えれば考えるほど苛立ちを覚えた。
3698尊奈門は駆け寄り、にこりと笑った。高坂はその姿を見て、いつものように優しく微笑む。
「尊、そんなに急いでどうした?」
「今日は昼休憩が長い日だから、一緒にお昼を食べたいなと思って……ダメですか?」
高坂は柔らかく目を細めた。
「ダメなわけがない。……行くか」
高坂にとって、尊奈門は昔から傍にいる存在だった。小さい頃から「陣にい」と言ってついてきた可愛い弟のような存在で、今も変わらず慕ってくれる。高坂も、尊奈門のことが大好きだった。ただ――尊奈門が自分を「好き」でいてくれる理由は、小さい頃からの憧れからだと思っていた。しかし、それはいつまで続くだろうか。尊奈門は、他の誰かに心を奪われることはないのか。高坂は、考えれば考えるほど苛立ちを覚えた。
くるしま
DONE高諸が好きです。息抜きに書いていたら、完成しました。でもタソについて解像度が低くて、少女漫画な話になってしまう。
ここから高諸まで、道のりは遠そうだけど頑張れ高諸と周りの保護者たち。
高諸小話01 諸泉尊奈門は、そもそも、恋というものにたいして興味がなかった。
周りの早熟な子ども達は、幼い頃から誰が好きだの、誰と誰が好きあってるだのと話していたが、その輪に尊奈門は入らなかった。
それから少し成長する頃には父の一件から雑渡にかかりきりとなり、更に成長した頃には、忍者としての修業に打ち込む毎日。
気付いたら周りはすっかり色恋沙汰にも慣れており、尊奈門はだいぶ出遅れていた。
けれど、そうと分かっても、やはり興味は湧かなかった。
どこそこの娘が美しい、誰それは良い男だと言われれば、なるほど美しいと納得する程度の審美眼は持っている。が、好意には発展しない。
その原因の一つに、高坂陣内左衛門の存在があった。
6488周りの早熟な子ども達は、幼い頃から誰が好きだの、誰と誰が好きあってるだのと話していたが、その輪に尊奈門は入らなかった。
それから少し成長する頃には父の一件から雑渡にかかりきりとなり、更に成長した頃には、忍者としての修業に打ち込む毎日。
気付いたら周りはすっかり色恋沙汰にも慣れており、尊奈門はだいぶ出遅れていた。
けれど、そうと分かっても、やはり興味は湧かなかった。
どこそこの娘が美しい、誰それは良い男だと言われれば、なるほど美しいと納得する程度の審美眼は持っている。が、好意には発展しない。
その原因の一つに、高坂陣内左衛門の存在があった。