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    #ユスグラ

    yusgra

    ruicaonedrow

    PASTグラブルくんで「媚薬入りチョコレート」なるものが公式になったと聞いて
    メイズオブルージュ はっと目を開けたら、そこは、いつもの場所だった。
     いつもの――あぁそれは、例えば、くるくる回るシーリングファンであったり、染みの一つ一つが模様に見えるような木目であったりする見慣れた天井の景色。そうして少しばかり目を横へ遣ったのなら、ベッドの横、ちょうど僕の目線の位置に当たる大きな窓の向こうは、紺色のグラデーションが橙色の世界を連れて、今まさに、世界の果てに沈もうとしているところであった。
     ――あれ……?
     起き上がり、目を擦る……けれど、ぱちぱちと瞬いたところで世界は変わらない。その風景は、やはり、僕の中のそれとは全く噛み合わない。
     確か。それは、朝だったはずだ。柔らかな光が差し込む朝。いつも通りに起き上がった僕は、ぐーっと伸びをして……窓の外を、蒼の世界を流れていく雲と、島々の向こうに見える大きな太陽と、その合間を飛んでいく雁の群れにしばし見とれていたはずだ。遙か向こうにはごま粒のような騎空艇の影が幾つも見えて、……あぁ今日もいつも通りの日が始まるなと、欠伸をかみ殺しながらそう思ったんだ。
    20159

    ruicaonedrow

    DONEヲタクというものは「推しが作ったパスタ」という概念だけでSSを1本仕上げることが出来る
    トマトカルボナーラ ベッドの端っこにいるとき、無理に寝返りを打ってはいけない。それが柵の付いていないベッドであった場合は尚更である――
     そんな当たり前のことも忘れてつい転がってしまった僕は、次の瞬間大きな音と衝撃と共に床の上に墜落した。奇しくも夢で強敵と取っ組み合いを広げていた最中だったから、一瞬夢かうつつかも判断出来ず、シーツの端を握りしめたままで目を見開き、しばし固まってしまっていた。
     天井が見えた。壁にへばりついた窓の木枠も。程よく晴れ渡った空、澄んだ蒼を背景に流れていく白い雲、そうして、少しだけ開いた窓から吹き込んでくる爽やかな風がカーテンを軽やかに翻す。
    「……あー……」
     吐息と共に声を出し、のろのろと上半身を起こし、くあ、と欠伸をかみ殺す。被っていた掛布を引き剥がす頃には、僕の思考は、現状を何とか把握出来るまでに覚醒していた。落下したときに思いっきり打ち付けてしまった腰骨の周辺をさすりつつ、ベッド枠に縋って立ち上がる。床に転がっているクッションを元通りベッドの上に放り投げたところで、ふと扉の方が気になって視線を向ける。
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